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ベートーヴェン・イヤー -4 (パスクァラティ・ハウスのこと) [7月のコラムより]

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                            「パスクァラティ・ハウス」裏のシューベルト・ストゥーべ


ベートーヴェン・ミュージアムとして公開されているもう一つの建物は街中で、ちょうどウィーン大学の向かいに建っています。


しかもリング沿いにかつてあった城壁の土塁の上に堂々と建っていますので、彼の偉業を示すかのように一際そびえ立っているようです。

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この家は彼のパトロンの一人、パスクァラティさんが所有していた家で、彼の名に因んで「パスクァラティ・ハウス」と呼ばれています。


ベートーヴェンは最上階の部屋に住んでいたそうですが、エレベーターがないこの時代、上の階に行くほど家賃が安かったそうです。

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引越し魔の彼ですが、このアパートには1804年からの4年間と、

1810年から4年間と2度に渡り住んだ所で一番長く居たアパートです。


この時代ウィーン大学もまだ建っていませんし、角部屋なので2面にある窓からは

遠くまで見渡す事もでき気に入っていたのでしょうね。


もう難聴の生活には開き直りもあり、作曲の仕方もピアノの弦に差し込んだ板を噛み、

脳にその響きくを伝え音を感じ取るという超人的な方法を編み出しました。


それは並大抵の努力ではできないことですが、生来の頑固さと誇りが成しえたものなのでしょうか。・・・


作曲家としての実力も充実した時期で多くの名作がこの家で作曲され、

ベートーヴェンの「名作の森時代」といわれています。


最初の4年間では交響曲では4番と5番、ピアノ協奏曲4番、ヴァイオリン協奏曲、

そしてオペラ「フィデリオ」と名作の嵐です。


2度目でも交響曲7番と8番や「エリーゼのために」もここで作曲されています。


この8番の交響曲は「私の小さな交響曲」と言ってベートーヴェン自身も気に入っていたようです。


一般的にベートーヴェンの音楽といえば“激しい”と言う印象を持たれていますが、

それは前へ前へと進む推進力を持っていて、明日へ向かう力や希望すら感じさせてくれます。


それも決して乱暴な表現ではなく、ちゃんとした抑制の中に収められ品格が保たれています。

それは彼の自尊心からくる高貴さなのではないでしょうか。


昔、イタリアの名指揮者だったジュリーニさんがインタヴューの中で、

「音楽には喜怒哀楽の全ての感情が表現されているが、

どれ一つとして嫌な感情は入っていません。」と仰っていましたが、

それは作曲家の純粋な心のフィルターを通してからの表現なので邪悪な部分は取り除かれているのでしょうね。・・・



by Atelier-Onuki | 2020-07-24 00:32 | Trackback | Comments(0)
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