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サンタ・チェチーリアのこと (12月のコラムより)

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イタリアのオーケストラといえば、歌劇場のオーケストラを直ぐにイメージしますが、

演奏会をメインにしたいわゆるシンフォニー・オーケストラは殆ど存在しません。


近年「それではイカン」と幾つか創設されましたが、世界的に認識されるには未々時間が掛かりそうです。

そんな中、唯一、長年活躍しているがローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団です。


その母体はサンタ・チェチーリア国立音楽院で創設は1584年と世界で一番歴史のある音楽院で、オーケストラも1908年創設ですから長い歴史を誇っています。

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かつては妙なことにオペラのレコード録音で、その名を知られるようになりましたが、

その「サンタ・チェチーリア」という何とも可愛い名前で親しみを感じたものでした。


イタリアの演奏家はソリストとしての腕前は世界でも最高のレベルなのですが、

オーケストラというアンサンブルが重要視される部分では若干の纏まりにかけるところもありました。


近年は実力のある指揮者を音楽監督として迎えるようになりましたが、

特に2005年から就任したアントニオ・パッパーノとは余程相性が良いのかメキメキとその実力が増して来ました。

元々上手いオーケストラでしたが、更に輝きを増しバイタリティに溢れた聴き応え満載の演奏をくり広げています。

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パッパーノも近年の指揮者では珍しく「ここでドーンと爆発してくれないかなぁ」と望んでいる聴衆を裏切ることなく、気持ちが良いほど鳴らしてくれます。

唯、彼はイタリア人の両親ですが、イギリスで生まれ、育っていますので、

その辺はちゃんと節度も備わっていて、決して単に大きな音を出している訳ではないので説得力があります。

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さて、この「サンタ・チェチーリア」という名前は起源180年ころに殉教した16歳の少女チェチーリアに因んでいます。

彼女は斬首刑にあったのですが、3度も刃が通らず3日間も生き延びたそうです。


その後、1599年教会を建立する際カタコンベから遺体を移設されたのですが、

全く腐敗していなく生々しい姿だったそうで、早々にステファノ・マデルノという彫刻家によって再現されました。

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現在はサンタ・チェチーリア・イン・トラステヴェレ教会の遺体が安置されている上に展示されていますが、やや小さい印象を受け少女であったことが伺えます。

この彫刻家はもの凄い技量だったようで生々しく繊細な表現です。

大理石にも関わらず少し垂れた手からは温もりすら感じるほどでした。

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彼女は生前竪琴を奏でたり音楽に親しんでいたことから、この音楽院の名前に冠されました。



by Atelier-Onuki | 2020-12-24 00:41 | コラム | Trackback | Comments(0)
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