もう50年ほど前でしょうか、ワグナーの「タンホイザー」のレコードを、発売当時から評判だったショルティ盤を買いました。 それは歌手も揃っているし、何といってもオーケストラの魅力的な演奏にひきつけられました。 録音も素晴らしくお気に入りの1冊となりました。 その表紙は暮れかけたお城の写真で、オドロオドロした雰囲気が印象的でした。 当時はそれが何処のお城なのか全く分かりませんでしたが、ヘェ~一度行ってみたいなと漠然と思っていました。 ![]() その後、ドイツに住むようになっても調べる事すらありませんでした。 やっと何となく分かったのは東西ドイツの統一後で、それは旧東ドイツ側のアイゼナッハという街にあることが判明しました。 今回は何故かこの辺りを回ろうと思い立ち出かけることにしました。 デュッセルドルフからフランクフルトで乗り換え3時間半ほどでしょうか、アイゼナッハに到着、古くて趣きのある駅舎です。 ![]() 駅近のホテルに荷を降ろし、駅脇のバスターミナルから30分ほどでしょうか、ヴァルトブルク城の入り口で下車しました。 もうここは小高い山で森の中です。 そうかいわゆるチューリンゲンの森の片隅なのだと認識しました。 ![]() ここから坂を上って行くのですが、大した傾斜では無いものの、これが長くて中々キツイ登りでした。 やっとお城の一角が見えてきて、少し元気が回復してきました。 ![]() 城門を潜り入り口には、よく映画などに出てくる鎖で下ろされた橋が架かっています。 お城全体が見渡せる左側の展望台に向かいました。 ![]() そうコレコレ、これがジャケットに載っていたお城です。 しばし興奮気味に眺めたり、もう陽が城の向こうに沈みかけているので逆光になりますが、何枚も写真を撮っていました。 ![]() ![]() さあいよいよ先ほどの橋をわたり城内へと入っていきました。 中は別棟の家が建っていたりで、ちょっとした村のようです。 ![]() ![]() 入場券を購入し、一番奥のお城部分から入りました。 ![]() 下の階はお城の歴史や騎士の時代の展示がされています。 一つ上の階では騎士たちの控え室や王女エリザベートの居間などがあります。 このエリザベートの居間は暗いのですが、シャンデリアの文様が可愛らしく」素敵でした。 ![]() さあいよいよ最上階へと上がりました。 ここでは先ずお目当ての歌合戦の間が現れます。 そう「タンホイザー」でも登場する歌合戦のシーンです。 これは実際行われていた行事だったようで、当時の絵が壁一杯の大きさで掛かっていました。 そして奥には石作りのステージがあり、ここで歌手達が歌ったようです。 ただ、ちょっとイメージしていたより小さな印象、まるで教室位の大きさでした。 まぁオペラではステージ一杯の大きなスペースを使って繰り広げられるので、そのイメージの方が強かったようです。 ![]() ![]() さらにその奥の広間は宴会場で、ここはそこそこの長さはありますが、やはり幅は狭く感じられました。 ただ、こんな山の上に中世の時代に建設をしたのですから感心するしかありません。 ![]() さて渡り廊下を進むと別の館へと入りました。 この正面にはルターがこもり、ギリシャ語の聖書をドイツ語に訳した部屋が残っています。 机の上にはその当時を偲ばせるため、聖書と翻訳中の紙が置かれていますが、これが風なのか、 否なにか仕掛けがあるのか時折ページが捲られパリッと音までして、ちょっと不気味でした。 ![]() 城を出て、しばし暮れ行くチューリンゲンの森を眺めていましたが、紅葉も進み中々の絶景を楽しんでいました。 ![]()
by Atelier-Onuki
| 2022-11-26 01:16
| ドイツ
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