![]() このライプツィヒを最初に訪れたのは、もう40年近く前の事でした。 それはメッセの仕事で、当初は行かないつもりをしていたのですが、急に日本からのクライアントがどうしても来て欲しいと依頼してきて、 急遽ホテルなどの予約をする時間も無いまま出かけました。 当時は東ドイツの真っ只中、西側から見たら別世界へと入っていきました。 ベルリンから列車で到着した当時を思い出しながらホームへと降り立ちました。 あの頃とは打って変わって賑やかな駅舎となりましたが、 ヨーロッパで1番大きいとされるプラットホームはドーム型のガラスがズ~と続いていて今も壮観です。 ![]() ![]() さて、ホテルで荷を降ろしブラブラとトーマス教会を目指しました。 商店街は昔ながらの建物で趣きがあり、入り口やパサージュ内など、 ユーゲント・スティールながら独特の感覚の装飾がなされ、中々見応えがあります。 ![]() ![]() ![]() マルクト広場を抜けるとトーマス教会が見えてきました。 そうここはバッハが23年間、亡くなるまで活躍した教会です。 中に入ろうとしたのですが、丁度コンサートをやっている最中で入ることが出来ませんでした。 仕方なく教会脇にある立像を繁々と眺めながら次へと向かいました。 ![]() ![]() ここからほど近い所にゲーテが「ファウスト」の着想を得た居酒屋「アウアーバッハ・ケラー」があります。 パサージュの入り口に看板が出ていますが、昔は多分こんなモダンなパサージュではなかったのでしょうね。 ![]() ![]() 地下に降りる階段の前にはファウストとメフィストの銅像が建っています。 ![]() 階段を降りると両サイドに入り口があり、今日は片方だけが開いています。 中は重厚感がある店内でゲーテもこの片隅の席に座って「ファウスト」の原稿を書いていたそうです。 何でもゲーテが学生時代この居酒屋に連れてこられた時、 かつてこの店に出入りしていた黒魔術師の話しを聞いたそうです。 この黒魔術師は不思議な現象を数々起こした後、大樽に乗って飛び去って行ったそうです。 さて、ビールでも一杯と思ったのですが、店内は混みあっていて入るのを止めました。 本来はもう一つの別室、ワイン・ケラーにある天井から吊られた大きな船が見たかったのですが、 残念ながら閉まっているので見られませんでしたが、まぁ40年ほど前に来た時は確かに見たので諦められました。 ![]() ![]() 翌日も街中を散策し、ゲバントハウスの裏の方にある、「メンデルスゾーン・ハウス」を 目指しました。 メンデルスゾーンは晩年、といっても38歳で亡くなっているのですが、12年間ここのゲバントハウス管弦楽団の音楽監督を務めています。 作曲家、指揮者としても功績を残しましたが、もう忘れられていたバッハを再発掘し積極的に 演奏活動を通じて世界中にその偉大さを広めた功績も絶大です。 ![]() ミュージアムは住んで居た当時の調度品やピアノ、そして衣裳などが展示され、その時代の雰囲気を醸しだしています。 楽譜や小物などは壁一面のアクリルの棚が吊ってあって、これがゆっくりとロール状に回転しちょっと凝った見せ方をしています。 ![]() 上階にあるオーディオ・ルームでは縦長のスピーカーが十数台配置されていて、 其々にヴァイオリンやチェロ、フルートなど楽器別に分かれています。 その前には指揮台があって、「真夏の夜の夢」や「スコットランド」など演奏します。 備え付けの指揮棒を振るとセンサーが感じ、それに合わせて音が鳴り出しますが、 中々こちらの思うようには演奏してくれません。 まぁセンサーの特徴を掴めば出来るのでしょうが、所詮お遊びなので、そこそこ楽しめました。 ![]() そして向かいの小部屋にはたくさんの絵が掛かっています。 そうだ彼は絵も描いたのだと、思い出し実物を見たことがなかったので繁々と眺めました。 それは水彩画の風景ですが丁寧に描かれていて、技術的にもプロの領域です。 楽譜でも丁寧に書いていますし几帳面な人だったのでしょうね。 それにしても、この多才さには驚きでした。 ![]() ![]() 気温は寒いけど、何だか心は満たされたようで、そろそろ帰ることにしました。
by Atelier-Onuki
| 2022-12-15 01:00
| ドイツ
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