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私の好きな冬の音楽 (12月のコラムより)

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寒い冬をテーマにした音楽も結構たくさんあります。

外は寒くても暖かい部屋でしっとりと音楽に親しむのも良いものです。


‘冬’とずばりタイトルに付けられている曲ではシューベルトの「冬の旅」があります。

W.ミュラーによる同名の詩集から作曲された24曲の歌曲集です。

物語は失恋から始まり、放浪そして死へと向かって行く絶望的な内容ですが、もの凄い名曲です。


暗い気持ちになってはいけないので、冬でも楽しい内容の曲では、まずルロイ・アンダーソンの「ソリすべり」があります。

軽快なリズムに乗ってソリすべりを楽しむ情景が気軽に描かれています。


もう1つはエミール・ワルトトイフェルの「スケーターズ・ワルツ」もスケートを楽しむ情景を軽妙かつ優雅に表現しています。

処でこの人は仏独が混在するストラスブール出身のフランス人なのでワルトトイフェルとして通っていますが、

スペルは“Waldteufel‘でドイツ語だと、森の悪魔となります。


さて、寒い国の作曲家としてはフィンランドのシベリウスが挙げられます。

彼は愛国心が強く、民俗音楽を巧みに取り入れたり、大自然の印象を背景に凛とした音楽を作曲しました。

唯、歳と共に自己批判が強まり、段々と作品を発表しなくなります。

基本的に交響曲の作曲家で後半の6番や7番は難解な曲ですが、初期の1番や2番は完成度も高く聴きやすい名曲です。


小品では「悲しきワルツ」が大好きです。

ヤンソンスとコンセルトヘボウの演奏会でアンコールにこの曲を演奏しましたが、

そのはかなくも美しいメロディに、思わず熱くなるものを覚えました。


処で、「フィンランドでは森に積もった雪が青く光る時がある。」と何処かで読んだことがありました。

気になっていたのである時フィンランド人の知り合いに尋ねたところ「オォ~そりゃ綺麗だよ~」と言っていました。

空と湖が反射していると思われますが、一度は見てみたいものです。


今シーズンは「春」から季節に纏わる音楽に焦点をあてて取り上げて来ましたが、

冒頭で登場したヴィヴァルディの「四季」ですが最後もそこから「冬」の出番です。


特に2楽章のラルゴが好きです。

ピッチカートによって外では冷たい雨が降っている様子が描かれていますが、暖炉がある室内では穏やかな時間が流れています。

ヴァイオリンのソロによって抒情的な雰囲気を甘く奏でています。


さあ私もそろそろ冬眠に入りたいものです。




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by Atelier-Onuki | 2022-12-19 22:49 | コラム | Trackback | Comments(0)
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