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コンメディア・デラルテ (commedia dell’arte) のこと –1 (1月のコラムから)

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喜劇は古代ギリシャ時代から存在していましたがローマ・カトリック教会から抑圧され、

500年間ほど公の場では公演ができませんでした。

彼らは大道芸人や旅回りの一座として細々と演じていましたが、

段々と規制が緩くなってきたルネッサンス後期あたりから公に公演できるようになりました、


そんな中、このコンメディア・デラルテの一座は筋書きや演技を洗練させ台頭してきます。

本国イタリアはもとよりフランスやイギリスでも大変な人気がでます。

特にフランスでは絶大な人気でロココ時代を打表する画家アントワーヌ・ワトーを初め多くの画家が旅の一座を描いています。

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フランスでは後にモリエールに影響を与え、近年にはその演劇を観たチャップリンが受け継ぎ、

今日も多くの喜劇やお笑いの要素として受け継がれています。

喜劇の全ての要素はこのコンメディア・デラルテが元祖であると言う人もいるほどです。


彼らは時事や噂話をもとに大まかな筋書きだけで即興を多用して演じていました。

登場人物はストック・キャラクターと言われる20種類ほど典型的な性格をもつキャラクターが固定されていて、

筋書きに応じてその都度選ばれていました。

男性の演者は遠くからでも見分けがつくよう仮面を付け、一つか二つの役柄で固定されていました。

観客は何時も同じキャラクターの人物が登場するので、物語の展開や予想が付け易く直ぐに理解する事ができました。

セリフもごく少なくパントマイムや抜群の演技力で言葉が分からなくても理解できました。


特に主役のアルレッキーノはアクロバットもどきの演技力で、その機敏な動きや跳躍力は、まるで体操選なみです。


主なキャラクターでは、まず先ほどのアルレッキーノArleccino(ベルガモ出身の道化師かつ使用人、何時もお腹を空かせていて食べることなら何でもやる)

イル・ドットーレ、IlDottore (猜疑心が強い医者で、理屈っぽいことを言うが、的が外れている)

イル・カピターノ、IlCapitano(軍の隊長で、手柄話しで自慢しているが実は臆病者)

コロンビーナColombina(召使でアルレッキーノの恋人、無学ながらコケットで機知に富んでいる)

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パンタローネ、Pantalone(金持ちで好色家、初めて長ズボンを着用し後のパンタロンの語源になった)

プルチネッラ Pulcinella(鷲鼻の黒いマスクに白い衣裳、料理人なのでプチネッラというレストランが多い)

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そんなキャラクターたちが奇想天外な物語を軽快にテンポ良く展開していきます。



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by Atelier-Onuki | 2023-01-26 00:05 | コラム | Trackback | Comments(0)
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