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コンメディア・デラルテ (commedia dell’arte) のこと –2 (2月のコラムから)

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前回ご紹介したコンメディア・デラルテは18世紀に入り、オペラの世界にも影響を与えます。

元来、オペラはギリシャ悲劇の再興を目指して誕生したジャンルですから、物語は神話の世界や歴史的英雄などの悲劇を扱った内容でした。

その内、幕間に観客を退屈させないように、インテルメッツォといわれる簡単な寸劇を行うようになっていきます。

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これが段々と発達し独立したオペラ・ブッファ(喜歌劇)へと発展していきますが、初期の段階でコンメディア・デラルテの為に戯曲を書き内容も深く

大いに洗練させたカルロ・ゴルドーニ(イタリアのモリエールと称えられる劇作家)がオペラ・ブッファへの戯曲を書き始めます。

序々に人気を博しベルコレージやチマローザ、そしてロッシーニやドニゼッティ、アルプスを越えオーストリアではモーツァルトへと受け継がれ、

オペラ・ブッファというジャンルを大いに発展させて行きました。


処で、このコンメディア・デラルテは1979年に日本に初来日しゴルドーニ作「二人の主人を同時に持てば」を

ジョルジュ・ストレーレル演出(センスに溢れた天才演出家)による公演が行われました。

これは凄い名作で、各地で大変な反響を呼びました。

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この来日に合わせ日本舞台美術家協会の主催で展覧会が開催されましたが私もこれに参加させてもらいました。

本国ヴェニスから舞台写真や衣裳、そして仮面やトルソが送られてきました。

この仮面は皮製で役者一人一人の型をとり、それに合わせて作られていますから、

顔にピッタリとはまり紐などで止める必要はありませんでした。

それにもの凄く軽く、軽妙な動きをする役者の負担にはなりませんでした。

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今でもヴェニスへ行くと多くの土産物店でコンメディア・デラルテの衣裳や仮面が、特産品よろしく売られています。

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丁度2月、カーニヴァルの時期にヴェニスへ行ったことがあったのですが、

皆さん中世の衣裳やコンメディア・デラルテからの衣裳を身にまとっておられました。

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それも本格的に凝った衣裳で仮面を被っている人たちも沢山おられますし、

運河には8人で漕ぐ古式豊かなゴンドラを始め、色んな形をしたゴンドラが浮かんでいて

何だかタイム・スリップしたような錯覚に陥りました。

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by Atelier-Onuki | 2023-02-18 20:45 | Trackback | Comments(0)
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