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モンセラート山 (4月のコラムより)

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リヒャルト・ワグナー最後の楽劇「パルジファル」は修道院を舞台に“聖杯”を守る修道士からなる騎士たちの物語です。

そのモデルとなったのが、モンセラート山にある修道院です。


ここには確かにアーサー王時代の“聖杯”を守っていた伝説が残っていたので、そこからインスピレーションを受けたのでしょうね。

この“聖杯“はキリストが最後の晩餐でワインを注ぎ、翌日十字架に架けられ槍で脇腹を刺された時に注がれた血を受けた器とされています。

それが何処に存在するのかを巡り、長い歴史のなか捜索され、これだと思われる器は奪い合いになって世界のあちこちを点々としました。

唯、実はその“聖杯”、「これぞ本物だ」と言われるのが4つほど実存しますが、どれも確たる証拠がなく確定には至っていません。


さてこのモンセラート山ですが地層が垂直で、長い年月を掛けて侵食され、モコモコとした奇岩郡で形成されています。

スペイン語でモンは山、セラートはノコギリという意味だそうです。

西暦880年のとある土曜日、山腹にいた羊飼いたちが、空に強い妙なる光を見たそうです。それから何度も土曜日になると強い光が照るので、

不思議に思い光の指している場所へと向かったそうです。

そこには洞窟の入り口があり、入ってみると何とキリストを抱いた黒いマリア像があったそうです。

「これはえらい発見だ!」と麓まで降ろそうとしましたが、ビクともせず動かすことが出来ませんでした。

とうとうこのマリア像をそのままに、その周辺から修道院の設営が始まりました。

年月を経ながら段々ともの凄く大きな修道院へと改修が進められて行きました。

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現在はこの修道院の一番奥に祭られていて、

その右手に持つ黒い“球“に触れながら願い事を祈ると叶えられるという伝説から多くの信者や観光客も訪れています。

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かつてスペインを代表するソプラノ歌手、カバリエさんはファースト・ネームが“モンセラート”で

女性にしては“ノコギリ山”なんてと思っていたのですが、最近知ったところによるとお父さんが難病にかかり、

医者にも見離されていたにも関わらず、このマリア像に触れながら祈りを重ねたところ、

不思議なことに回復したそうです。

その後に生れたのであやかって、この名前を付けたそうです。


バルセロナのエスパーニャ広場からモンセラート鉄道で1時間ちょっと

終点モンセラート駅から登山電車でノンビリか1つ手前の駅からロープウェイでも行けます。



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by Atelier-Onuki | 2023-04-24 23:31 | コラム | Trackback | Comments(0)
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