人気ブログランキング | 話題のタグを見る

プロヴァンス鉄道 Chemin de fer de Provence (7月のコラムから)

プロヴァンス鉄道 Chemin de fer de Provence (7月のコラムから)_a0280569_00225268.jpg

かつてイヴェントの仕事が毎年カンヌであって、よく行っていました。

ある年、仕事が予定より早く終わったので、噂に聞いていたプロヴァンス鉄道に乗ってみることにしました。

ニースへと戻り、街中のちょっと山手にある駅に向かいました。


一般的にニースの幹線鉄道はSNCF(フランス国有鉄道)で、こちらは風光明媚な海沿いを走りますが、

こちらは山岳地帯の渓谷に沿って走るフランスでは珍しい私鉄です。

ニースから終点のディーニュ・レ・バンまで約150kmほどの路線です。

仕事から解放され、ウキウキした気分で乗り込みました。

列車は一般の線路より狭いそうで、その分ちょっと小振り、何だか遊園地にある電車の姉さんと言ったところです。


暫く市街地を走った列車は、程なく川を渡るとすっかり長閑な田園風景となりました。

右手には山々が連なり出し、左手には渓流が流れ、その間を蛇行して走ります。

時折鳴らされる警笛もちょっと鄙びていて、益々遊園地気分です。

そうだ、ここで乗車前に買っておいた少々のお惣菜とロゼの小瓶を取り出し、チビチビと一人宴会を始めました。

しかしこの列車のよく揺れること・・・左右だけでなく上下にも揺れ、ワインを注ぐのもオットット、オットットと大変です。

それでもこの辺のお惣菜やロゼの美味いこと、上機嫌で楽しんでいました。


1時間半ほど揺られ、取り合えずの目的地アノー(Anott)に到着したころには、すっかり出来上がっていました。

鄙びた無人駅をおり、農家が点在する田園地帯を街中へとダラダラ歩いて行きました。

小さな石橋を渡り町中へ入りましたが、古い家並みで続き趣があります。

街といっても小さな集落で直ぐに山手の旧市街地へと入りました。

ここの家並みは壁はもとより、屋根も道も全てがベージュとグレーの石で作られて相当の古さを感じさせます。

洗濯場の大きな水槽も石を掘ったものでした。

更に上の方へと歩を進めると山々には霧が立ち込め、鉄道の石橋や山上の祠が霞んでみえました。


さて、帰りはエクス・アン・プロヴァンスへ回ろうと終点のディーニュからバスでSNCFが走っているシャトー・サン・トーバンの駅を目指しました。

名前にシャトーが付いているので期待しながら到着した駅はポツンと建つ石造りの寂しい駅で、

ガランとしたホームの向こうには白と赤でペイントされた大きな煙突にコンビナートの様相でした。



by Atelier Onuki~ホームページもご覧ください~

応援クリックありがとうございます!
人気ブログランキング

by Atelier-Onuki | 2023-07-26 00:30 | コラム | Trackback | Comments(0)
<< アルハンブラ (8月のコラムから) ラヴェッロ(Ravello)の... >>