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アルハンブラ (8月のコラムから)

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私の高校時代の親友でその頃からギターを始め、今も熱心に練習を欠かさない人がいます。 

アンサンブルにも属していてアマチュアながらコンクールで優勝するほどの腕前です。

そんな彼が好んで演奏する曲にフランシスコ・タレガの名曲「アルハンブラの思い出」があります。

彼曰く終始全曲のベースを支えているトレモロは噴水のこぼれ落ちる水滴を表しているそうです。

多分これは「ヘレラリフェ」といわれる離宮にある噴水のことでしょう。

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大きなパティオの中央にある水槽に向かって左右から幾重にも噴水が噴出してアーチを作っています。

この離宮は特に水が豊富に演出されていて潤いに満たされています。

階段の手摺までも水路があって水が流れているほどです。

これらは近くの3000m級の山々が連なるシェラネバダから雪解け水を引いてきているそうです。

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さて、この「アルハンブラ宮殿」(赤い城という意味だそうです。)は

当時イスラム教圏の民族によって支配されていたアンダルシア地方のグラナダの丘に建てられました。

9世紀ころに砦が建てられてから何世紀にも渡って増築されて行き、要塞都市として発展して行きます。

城内には宮殿を初め官庁や軍隊、モスクや学校もあって2000人以上の貴族が住んでいたそうです。

唯、カトリック教圏の国土回復運動(レコンキスタ)によって15世紀に陥落してしまいます。

普通は陥落すると城などは破壊されてしまうのですが、この時の女王イザベラが、この宮殿の余りもの美しさに、そのまま保存することに決めます。

そのお陰で今日もその美しさを観賞することが出来るのですが、そのアラビア風の独特の装飾は繊細で圧倒的な美しさを放っています。

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この宮殿からダロ川が流れる谷を挟んで対岸の丘に広がるアルバイシンの白い町並みも見ものです。

敵からの襲撃に備え迷路のように入り組んだ小道に複雑な町並みを形勢しています。

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ここから更に稜線に沿って進むとサクロモンテと言う地域、ここはロマの人たちの洞窟住居が点在して妖しげな雰囲気をかもし出しています。

今はちょっと観光化されましたが、40年ほど前に行ったときは踏み入ってはいけない感じがしました。

歩いていると洞窟の前にいた恰幅のいい婦人に、急に腕をグイと掴まれ「手相をみてやる!」と中へ引き込まれそうになりました。



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by Atelier-Onuki | 2023-08-24 00:12 | コラム | Trackback | Comments(0)
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