2018年 02月 08日 ( 1 )

ヴィリー・ボスコフスキー(Willi Boskovsky 1909-1991年)さんの思い出

1月は日本へ行っていましたので、もう2月とえらい時期が遅くなりましたが、
このコラム記事を載せておきます。
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ニューイヤー・コンサートは今ではお正月の風物詩としてすっかり定着していますが、
ヨハン・シュトラウスⅡ世と同じようにヴァイオリン片手に25年間も指揮を執っていた
ヴィリー・ボスコフスキーさんの時代に世界中の人々に親しまれるようになりました。
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処で、超大昔のある年、大学受験で上京していましたが結果は見事に不合格。・・・

落胆して雪道をトボトボと帰路に付いていましたが、
ふと「確か今日はウィーン・フィルでワルツの夕べがあるはずだ!」と思い浮かびました。

ひょっとしてチケット売り場は開いているかもしれないと、当てもなく会場の武道館を目指しました。

ガランとした広場には人気もなく空っ風が空しく吹いているだけです。

諦めて返ろうとすると、何処からとなく音が聞こえてきます。

これはひょっとしてと、音が聞こえて来る方へと向かうと、
太いケーブルが敷かれていて一箇所ドアが半開きになっていました。

「そうかTV中継をするのだ!」と、恐る恐るドアを開き中へ入ると・・・な、
何とリハーサルの真っ最中ではないですか・・・

二階席でポツリと座っていると、「そこの君、こっちへ降りてきて!」と誰かが叫んでいます。
いやぁこれは叱られるのかと思ってヒヤヒヤしながら降りていくと、
どうやらバイトのスタッフと間違えられたようで「これ、ステージの上に持っていって!」と、
楽器を運ばされることに。 「ハイハイ!」と二つ返事で手伝っていました。

休憩に入りTVスタッフは皆帰り、私はたった一人で客席の最前列にポツリと残りました。

リハーサルは続きますが、ウィーン・フィルの皆さんは和気藹々とした雰囲気で楽しそうです。

「常道曲」では途中で「und so weiter, und so weiter」と指揮者の掛け声で止まる決まりなのですが、
ファゴットが造反し、止まるどころかパカパカ・パカパカとものの見事に吹き続いています。
これには全員から喝采が起こり大笑いとなりました。

その後もポルカ「狩り」では打楽器奏者がボスコフスキーさん目がけて銃を撃つと
彼も胸を押さえて撃たれた格好をしていました。

リハーサルも終了しサインを恐る恐るボスコフスキーさんにお願いしましたら、
ニコニコとしながら気軽に応じてくれました。
握手までしてくれましたが、その時私の薬指にガチッと当たるものを感じました。
フト見るとそれは四角い立派な黒ダイヤが付いた指輪でした。

彼はスイスで亡くなりましたがお墓はウィーンの中央墓地で眠っています。
ボスコフスキーさんは、やはりウィーンが良く似合います。
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by Atelier Onuki
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by Atelier-Onuki | 2018-02-08 19:53 | コラム | Trackback | Comments(0)