カテゴリ:オランダ( 7 )

オランダへの小旅行 – 4 (アムステルダム、ゴッホ・ミュージアム)

昨夜は「焼き鳥屋」で英気を養ったので、今日は朝早くからゴッホ・ミュージアムを目指しました。

とても久しぶりの訪問でしたが、入り口も変更されていて、
20年ほど前に美術館の裏に増設された黒川記章さん設計の別館から入る仕組みになっていました。
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朝早くにも関わらず大勢の人が並んでいます。
やっとゲートを抜けるとエスカレーターで一旦地下へと降り、ここから連絡路を通って美術館へと入って行きます。

展示は地上階のオランダ時代から始まり、更に上の階に上がると
パリ、アルル、サン・レミ、オーヴェール時代と彼の足跡順に分かり易く展示されています。

この美術館は弟テオの長男がオランダ政府に相談をし、
共同で設営されたもので、さすがその質と量は世界一のゴッホ・コレクションです。

初期のヌエネンで描いた集大作「ジャガイモを食べる人々」にしても3枚描いた内で最後の最も完成度が高い作品が展示されています。
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パリ時代の作品からは絵がパッと明るくなり、割筆画法など印象派の人たちの影響をもの凄い勢いで吸収している様子がグイグイと迫ってくるようです。
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アルル時代は残念な結果になったのは有名な話ですが、「ひまわり」を初め、
彼が住んで居た「黄色い家」、それに私の好きな「収穫」(麦秋クローの野)・・・

この絵を見ると必ずと言っていいほど、あのビゼーの「アルルの女」からパストラールの長閑な響きが頭の中で鳴り響き、
ちょっとムッとした暖かい風も感じられます。・・・(あぁ気持ちよかった!)
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それにテオに長男が生れたお祝いにと贈った「アーモンドの木」、
ターコイズ・ブルーの空を背景に穏やかに花を付けたアーモンドの枝を描いていますが、
その丁寧に描かれた筆致からテオや生れた子への愛情が伝わってきます。
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そして最後の年に描かれた2枚の「麦畑」はやはり見応えがあります。

1枚目は大きな空間に描かれた紺碧の空を、もくもくと不思議なタッチで描かれた雲が、まるで何か奇妙な生物が動いた軌跡のように描かれ、
その下には緑を基調とした麦畑が広がっていますが、
その筆致や色使いはとても穏やかで爽やかな印象を与えます。
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一方、隣に飾ってある「カラスのいる麦畑」では空も麦も道もウネリ、画家の激しい感情がダイレクトにぶつけられています。
何匹ものカラスが風に煽られているのでしょうか、麦畑の上を飛び回っています。
これが又不吉な印象を与えていますし、彼が自殺をしたのはこの麦畑だったといわれています。
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一般的にはこれが彼の最後の作品だと云われていますが、実は最後の作品は「木の根と幹」という作品で、
これはタイトルの通りこの3つのモチーフだけをクローズ・アップして描いているとても穏やかな作品です。
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自殺説も確かではなく、麦畑で近所の子供たちと遊んでいる内、誤って子供に撃たれたとの説もあります。
この事件後、彼は2日間生きていますが、この事に関して何も語っていません。

さて、別館の方では「ファン・ゴッホと日本」と題した特別展が開催されていて興味深い内容の展示がされていました。
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まぁゴッホは浮世絵から大きな影響を受けたのは有名ですが、改めてその経由を見ることができる機会でした。

ゴッホはとても日本へ行きたかったそうですが、余りにも遠くその願いは叶うことはありませんでした。
かれは浮世絵に描かれている人物などの影が描かれていないので、
日本では太陽が真上から注がれているのだと思い込んでいたようです。
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そこで考え付いたのがやはり光輝くプロヴァンスに日本に近いものを感じたようで、いよいよアルルへと向かいます。

いやぁ中身の濃い絵画をじっくりと見て回ったのでグッタリです。
少々遅いお昼を取ることにしました。

結構お腹も空いていたので、今日は中華と決めました。
確か「飾り窓」周辺に美味しい中華レストランが何軒かあったはず。
トラムでダム広場まで出てブラブラと向かいました。
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ゴジャゴジャとした路地を進んでいくと、オット目の前が直ぐ飾り窓で、
昼間にも関わらず既にオネエサン方がウインドウの中で待機をしています。
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まぁそれにしてもアッケラカンとしたもので、全く開放的です。
ハンブルクのレーパーバーンなどは女人禁制で通りは鉄壁で仕切られ簡単に入れなくしていますが、
ここでは観光客や家族ずれが平気で歩いていて、小さな子供なんかも訳が分からないまま覗き込みながら歩いている有様です。

さて、以前行ったことのある美味しかった中華は見当たらなかったのですが、
店先にチャーシューやトン足に鳥などの燻製が所狭しと吊られた店に遭遇しました。

大抵こう云う店は期待が持てるので迷わず入りました。

喉も渇いていたので早速ビールを頼んだのですが、どうもこの店ではアルコールは提供していないようです。
気を取り直してチャーシューと餡かけチャーハンもどきを頼みました。

それにしても、もう2時を過ぎているのに、そこそこのお客が入っています。
それも全員が中国人(多分)・・・これは期待ができそうです。

さすがにチャーシューは多すぎて食べ切れませんでしたが、ドイツでの中華とは一味違う美味しい本格的なお味でした。

中々美味しい店だったので帰ってきてからネットで調べたら、「榮記飯店」という名のお店で、な何とこの店にはあのジャッキー・チェンも来たそうです。

写真に写っている手前の「TOKO DUN YUNG」の左奥で斜めに建っている白黒の古い建物です。
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オランダは古くから東洋貿易で栄えましたから、アジア系のレストランも充実しています。

明日あたりお昼でも食べに又Venloにでも行ってみようかな・・・

(尚、ゴッホ美術館は撮影禁止でしたので絵のデータは他から貰ってきました。悪しからず・・・)



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by Atelier-Onuki | 2018-06-23 00:57 | オランダ | Trackback | Comments(0)

オランダへの小旅行 - 3 (マルケン島)

デルフトを後にしアムステルダムを目指しました。

途中のライデン辺りはチューリップ畑で有名ですが、
このシーズンは刈り取られたあとで、延々と畑が続いているだけです。

それでも時折、この季節の花を栽培していて車窓からの眺めを楽しませてくれました。

久しぶりのアムステルダムではこんなに観光客がいたかなぁと思うほど、大勢の人たちで賑わっています。
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ちょっと疲れたので運河沿いのカフェで一息入れました。
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さて、駅構内を抜け裏側にあるバス・ターミナルを目指してコンコースを歩きましたが、
ここも最近改装されたようで綺麗になっています。

お店もお洒落なショップが入っていて楽しい雰囲気です。
キオスクですらお洒落な内装でこれは良いな・・・と感心していました。

さて、マルケン島には路線バスで行けるのですがここは元々は海に浮かぶ島でした。

今は堰き止められてマルケン湖と名前が付いていて、
半島の端から長い堤が付けられているのでバスで行く事ができます。

バスは出発して直ぐに海中に掘られたトンネルに入ります。
トンネルを出ても途中からは堤の高さが道路よりも高い位置にあって、
こりゃ多分水面よりも低い所を走っているのだなぁと感じました。

一本道を抜けるとマルケン島の中心部に到着しました。
もうここから川を挟んで可愛い街並みが現れます。
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跳ね橋を渡り民家が建ち並ぶ住宅街に入っていきました。
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建物は木造が多く、外壁は緑、屋根はオレンジ色の瓦、
屋根や窓枠は白で縁取りをされ絶妙なコントラストを醸しだしています。

時折、レンガ造りの家もありますが、屋根や窓枠の雰囲気は同じなので何の違和感もなく溶け込んでいます。
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運河に掛かる小さな跳ね橋、長閑な風景にノストラジックな家々・・・
小さな島ですが、その感じの良さに隈なく歩いてみました。
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住宅地を抜けると小さな港へと出ました。

この港に面してレストランにお土産やと、沢山のお店が軒を連ねています。
こんな小さな島ですが訪れている人は多く、ちょっとした観光地です。
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さて、小腹も空いてきたのでお昼と思ったのですが、どの店も満席状態・・・

こりゃフェリーに乗って向かいのフォーレンダムに行ったほうが落ち着いているかもと
乗り込みました。
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フェリーにも大勢の人たちが乗り込みました。

それでも海風を受けると、こんな北の暗い海ですが心地よいものです。

ほんの30分ほどの船旅でしたが、フォーレンダムの港へ到着。
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こちらの方が大きな港ですが、その分人も多くごった返しています。
それでも街並みは可愛らしくどの店も良い感じです。
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町外れには砂浜も広がっていて、もう水遊びをしている気の早い人もいました。
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レストランはここでも満席状態なので、屋台で一応有名なニシンのマリネでも食べることにしました。

屋台は二軒並んでいましたが、まぁ適当に空いている方で頼みました。
生魚に煩い日本人の私にも玉ねぎが良く利いたニシンは新鮮で美味しく頂きました。
それにしても数の子はどうしているのでしょうか?・・・
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この後、チーズで有名なエダムへも寄ろうかと思っていましたが、
歩き疲れたので、もうアムステルダムへ帰ることにしました。

ああ疲れた・・・今夜は焼き鳥屋にでも行こうかな・・・



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by Atelier-Onuki | 2018-06-14 00:47 | オランダ | Trackback | Comments(0)

オランダへの小旅行-2 (デルフト)

デン・ハーグから列車で南へ15分ほどでデルフトへと到着です。

以前は古い駅舎だった記憶があったのですが、
今はホームが地下に潜り、モダンに改装されていました。

それにしてもオランダの主だった駅が次々に改装されて、快適な環境になっています。
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エスカレーターを上がりコンコースへと出て、自動改札を出ようとしたのですが、
どうも様子が違うのでよく見てみると、ここは未だ地下1階で自転車置き場への専用出口でした。
この辺はなるほど、自転車大国オランダらしい考え方で微笑ましく眺めていました。
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地上階の出口へは、もう一つエスカレーターにならなければなりませんが、
フト大きな天井を見ると無数に吊られた天井プレートにはブルーの模様が入っています。
よくよく眺めて見ると、それはどうもデルフト焼を象徴しているようで、
ここでも「中々やるなぁ~」と感心していました。
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ホテルを目指して街中へ小さな運河から小道へ入り、又運河と迷路のような道を進みますが、
どの街角も可愛い建物が続いていて素敵です。
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アムステルダムの小型版とでも云えるでしょうか、
建物が小振りなのでリトル・アムスと云ったところでしょうか。・・・
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ホテルで荷を解き、あの「デルフト眺望」を描いた場所へと向かいました。

以前、来た時は未だインターネットとかなかった時代で、しかも寒い時期だったせいか、
それほど印象に残っていませんでした。

又、なるべく運河に沿って歩き、思しき所へと向かっていましたが、
なんだ~先ほど到着した駅にほど近い所でした。

橋を渡りインターネットで調べた辺りへと着きました。

まぁ確かにここでは運河が広がりそこそこ大きな船も停泊しています。

唯、似ているといえば似ているけど・・・確信は持てない程度です。
確かにバックに描かれていた「旧教会」が家並みに向こうに同じような構図で見えています。

半信半疑のまま、もう一つの候補へ移動しようかなぁと思いつつ、
ふと電柱の裏に立っている看板を見つけました。

隠れていて余りよく見えなかったのですが、
そこには間違いなくフェルメールの「デルフト眺望」の絵が立っていて、
ここで描かれた旨らしいオランダ語で書かれていました。
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確信を得て再度、よくよく眺めていました。

確かにレンガ造りの堤防だった所には、新しく道路が作られていますし、
建物も若干変わったことでしょう。

それでも、400年前の風景ですから変わるのも当然のことでしょうね。
未だ、若干の面影を残しているだけでも嬉しく感じました。
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さあ、これで一安心・・・心置きなくおビールへと・・・

アチコチと歩き回りお店の選択です。
それにしてもちょっと気になるお店が沢山あって迷います。

オランダ料理(コロッケは良いのだけれど、お昼に食べたしなぁ)
インドネシアも植民地だっただけに本格派なのだけど、ビールが瓶しかない・・・
タイ料理でも良いけど、ここも瓶のシンガー・ビール・・・
イタリアンも違うし・・・
と歩き回ること暫し・・・
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こうなったらビールをメインに考えて途中にあった「ビア・ファブリック」へと戻りました。
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店に入ると床一面にピーナッツの殻が散乱していて足の踏み場もないほどです。

最初はエッと思いましたが、どうもこれも店の演出らしくカジュアルな雰囲気をかもし出しています。

隣の席にいたグループはこれをボリボリ食べては、何の躊躇もなく殻をポイポイ床に落としています。

その内、壁に吊ってある麻袋から追加で勝手に取ってきては食べている有様です。

私の座った席にも、大胆な量のピーナッツがゴロンゴロン置かれています。
一つ試してみましたら、カリッとした食感で中々美味しい・・・
こりゃ量も進むというものです。

さて、「ビア・ファブリック」だけにビールは当然ここで醸造されていて、Puur, Bianco, Rosso, Nero という4種類のビールがあるようです。

まづはノーマルと思われるPuurから・・・

ウ~ン、中々美味しい・・・
オランダのビールはサッパリしたものが多いので余り期待をしていなかったのですが、
喉が渇いていたことも相まってこれは上手いと一気に飲み干しました。
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続けてBianco、名前の通り白っぽい薄い色かと思いきや、まあまあビールの色をしています。

説明書きを読むと、どうもチェコのホップを使っているようです。
当然ながらRosso、Neroと続きます。

こんな醸造所ですから料理はさほど期待をしていなかったのですが、
出された鳥の炭火焼は中々良いではありませんか・・・

大いに飲み、ほろ酔い気分で運河に沿ってホテルへと帰りました。

さぁ、明日はアムステルダムを経由してマルケン島へ向かいますが、初めてなので楽しみです。


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by Atelier-Onuki | 2018-06-13 00:45 | オランダ | Trackback | Comments(0)

オランダへの小旅行

先日来よりオランダのアーネムやフェンロへ行く機会があったのですが、
かねてより噂に聞いていたIQOS用のHEETSでメンソールが販売されていました。

これは何故かドイツでは販売されていませんが、
試してみると程よい強さのメンソールで気分転換にはちょうど・・・
時折これを吸っていました。

そんな事もあって今回は、このメンソールを買いにオランダへ行く事にしました。

それだけではつまらないので、今回はフェルメールとゴッホをコンビネーションさせるという
全く次元の違うテーマで不謹慎な考えを巡らせていました。

まずはフェルメールを観るためデン・ハーグのマウリッツハイス美術館に向かいました。
ここは大昔に訪れたことがあったのですが、小さな美術館の印象でした。
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何年か前に大きなフェルメール展があった時に改装したのでしょうか、
周辺はモダンな感じに様変わりし、入り口も地下に新しく設けられていました。
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結構大勢の人たちが訪れていましたが、改装されたお陰で中々スムーズに入ることができました。

先ずは荷物をロッカーへと向かいましたが、木製の壁は曲面でそこにデコボコのスリットが入っていて、
大小様々な大きさのロッカーが、まるでレリーフの様に設置されています。

オランダ人って時々独特の素敵なセンスを持っていて、ここでもフムフムと感心をしながら眺めていました。
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入り口が地下になったので結構な階段を上がり展示場へと進みました。

ここの目玉は何といってもフェルメールの「真珠の耳飾の少女」が有名で、
映画にもなったせいか以前よりも大勢の人たちが訪れてきています。
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勿論これも見たかったのですが私の興味は「デルフト眺望」をもう一度じっくり観賞したいと思っていました。

レンブラントを初めオランダ絵画の名作の数々見ながら歩を進めました。

途中、風景画の部屋では似かよった風景画が並んでいますが、
一際「オッこりゃ良い絵だなぁ!」と思い近づくとそれはホッベマの作で「農家のある風景」でした。

同じような絵ですがやはり力のある絵描きの作品は別格です。
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やっと一番上の階にたどり着き、お目当てのフェルメールとの対面です。

正面の真ん中に飾られた「真珠の耳飾の少女」には大勢の人たちが見入っています。
その前には木製で半円形の手摺がガードしています。
たしか以前にはこんな手摺は設置されていませんでした。
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反対側の壁にお目当ての「デルフト眺望」が掛けられています。
横幅が120cmほどでしょうか以前に見たときよりも大きく感じました。
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大きくとられた空の下には教会を背景に運河沿いのデルフトの町並みが描かれています。
丁寧に描きこまれた建物や船と共に、民族衣装を着た人たちが点在していて、その当時の生活感も伝わってきます。
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じっくりと端から端まで見回し、タップリと観賞しました。

さぁこの描かれた場所を探しにデルフトへと向かう事にしました。




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by Atelier-Onuki | 2018-06-12 00:45 | オランダ | Trackback | Comments(0)

「クレーラー・ミュラー美術館へ」

翌朝は早く起きてしまったのですが、さしてやる事もないので早々に朝食をとりにホテルへと向かいました。

ビュフェ形式ですがオランダの朝食は大抵充実しています。
コーヒーは作りおきをポットで持ってくるのではなく、注文を取りに来てくれちゃんとした味のコーヒーが出てきました。

それに牛乳は日本の牛乳瓶の姉さんみたいな容器で出てきましたが、
さすが酪農国家だけあって濃厚でしっかり味がついた美味しい牛乳でした。

パンも種類が多くプチ・クロワッサンやチョコ・クロワッサンまで揃えフランス並みの美味しさです。

ハムはドイツも美味しいのですが、これまた違う味覚でコンビーフに似たような一枚はとても気に入りました。

さあ、ゆったりと朝食をとった後、いよいよクレーラー・ミュラー美術館を目指しました。
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この村からは乗り合いのミニ・バスが運行されていますが、
デ・ホーヘ・フェルェと言う国立公園内を通過するバスなので、
先ずは公園への入場料も含めて支払わなければなりません。
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公園のゲートを入ると延々と森や草原が続きます。
このオッテルローから入るルートは初めてでしたが、これは近くものの10分足らずで美術館の近くへ到着しました。
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駐車場を抜けると直ぐに美術館に到着しますが、もうパラパラと訪問客が集まってきています。
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この美術館は森の中に忽然とあるので自然に囲まれ心地良く観賞ができます。
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クレーラー・ミュラー家が集めたゴッホの作品87点を中心に開設されましたが、
その他、1点づつですがモネやセザンヌ、ピサロにシスレーなどの名画も所有しています。

それに何と言っても広大な敷地にくり広げられた彫刻の屋外展示が圧巻です。

箱根にある「彫刻の森美術館」はここをモデルにして計画されたそうです。

さて、混み合う前にと早々にゴッホを展示している部屋へと向かいました。

廊下奥の黄色い壁面には特別展らしく「ゴッホの初期」とタイトルが付けられています。
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その為か普段はゴッホだけの部屋に展示されるべき、「夜空のカフェ」を初め代表作の数々が廊下に追いやられ展示されています。
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額縁も昔は彫刻が施されたゴールドの立派なものでしたが、今は木製のシンプルな物で統一されています。
最初は「エッ!これってひょっとして複製画?」とちょっと疑ったほど安っぽい感じです。
それでも気を取り直してジックリと観賞していました。
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初期の作品ではこれも代表作の「ジャガイモを食べる人々」が展示されていますが、
ここにある絵は2枚目に描かれた作品で、3枚目の完成作はゴッホ美術館にあります。
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ヌエネンの教会を描いた一枚や、ミレーの「晩鐘」の模写も描いていました。
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展示を見終えましたが何だか物足りなさを感じていました。
それもそのはず普段は展示されているはずの「アリスカンの落ち葉」や
「郵便配達夫ルーラン」、それに「アルルの女」などの主要作品が欠けています。

初期の作品を展示している間、どこかへ貸し出しているのでしょうか?・・・
それに私の大好きなモネの「アトリエ船」も不在です。・・・

ちょっと不満足な気分になったので、カフェテラスで一息入れました。

気分転換にと彫刻が展示されている裏庭へ回りました。
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建物を出て直ぐ目に入ってきたのは‘イサム・ノグチ“のモダンな作品です。
曲面と直面を品良く融合させたシンプルな作品ですが、同じ日本人としては嬉しくて誇らしく見入っていました。
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この庭には他にもロダンを初め、マイヨールやブールデル、ムーアと錚々たる彫刻家の作品が無造作に自然の中に解けていました。
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この先にも延々と広大な敷地が連なり、モダンな作品があちこちに設置されていますが、
もうこの辺のモダン作品は私の理解の範囲を超えていて、唯々フ~ン!ヘェ~と眺めているだけでした。
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グッタリと疲れましたが自然の中を歩けたので気持ちはまだ元気でした。

時間もあるのでアーネムに向けて出発しました。

このオランダ中都市のアーネムへは昔ちょっとだけ立ち寄ったときに、好印象を持ちましたので、今回は少し街中をブラついてみる事にしました。

中央駅から繁華街へブラブラと出ましたが、若い人も多く中々活気があります。
田舎の中都市ですから特有の寂しさ感も漂っているのですが、さびれてはいません。
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建物も何処となく特徴的で、アール・ヌーヴォでもなくユーゲント・スティールでもないオランダ独自のスタイルでしょうか。
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何時の時代に建てられたのか分かりませんが、その当時はモダンだったのでしょう。

それでもこのレトロな建築物にはどこか懐かしさと暖かさを感じさせてくれました。
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ブラブラ歩いているとジャガイモを皮ごと無造作に潰しているフライド・ポテト屋に遭遇しました。
人気があるらしく数人が並んでいます。
ソースも30種類ほど書いてあってどれにしようか迷いますが、カレー・ケチャップを選び注文しました。
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出来立てのポテト・フライは事のほか美味しく、冷えだした体がジワジワと温まり元気が回復してきました。

さあ、これでデュッセルまでの帰り道も頑張れそうです。

まぁ考えてみれば今回は“ジャガイモ”に始まり“ジャガイモ”で終る楽しい旅でした。


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by Atelier-Onuki | 2016-10-15 00:31 | オランダ | Trackback | Comments(0)

「オッテルローの村で」

ヌエネンを後にしオッテルロー村へと向かいました。

ここに一泊して次の日は朝早くクレラー・ミュラー美術館へ行くつもりです。
この村はオッテルローの森の入り口に位置しているので美術館まで直ぐの距離です。
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小さな村ですがここも家々がレンガ作りで味わいがあり外国感が満載で伝わってきます。
通りにはゴッホの横断幕や看板が取り付けられていて、生前は変人だった彼に対し冷たくあしらっていたにも関わらず、
今は如何に彼のことを誇らしく思っているかが伝わって来ます。
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ホテルも二軒しかない小さな村ですが、その一軒のしかも素泊まり用の別館に泊まる事にしました。
それでもかつては館だったのでしょうか立派な建物でした。
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夕食まで時間があったのでその辺を散歩してみました。

この村も清閑な住宅地で、小さな前庭には各々が花壇を供えていて、
中には可愛らしい噴水を設置したりで綺麗に保たれています。
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それに床から30cmほどから天井まであるオランダ特有の大きな窓にはカーテンなど取り付けてなく家の中が丸見えです。
中には裏庭まで見通せる家まであって、時折行き来する住人の姿が影絵のように映ります。

これには「我々は悪い事をしないのだ!」という宗教的バックグラウンドがあるそうで、
「オランダ人の戸棚」という諺があるように家の中は本当に綺麗に整頓されています。

ここにも茅葺屋根の家がノスタルジック満載で佇んでいました。
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大きな館なども点在していて、フムフム~オランダも中々豊かな国なのだなぁと思いしらされました。
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夕食は他にチョイスするほどの店がないので結局はホテルで取ることにしました。
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ちょっと遅めに行ったのですが、中々の混みようでやっと奥の一席を確保できました。

何時ものごとく自動的にトリ・ビーを早々に注文し、メニューに目を通していました。

オランダでビールと云えばハイネケンで最もポピュラーなビールです。
これはドイツでも何処のスーパーに行っても売っているのですが、
そのシャバ・シャバで愛想のない薄味は余り好みではないので普段は飲む事がありません。

ただ、出てきたハイネケンは“生“・・・
フムフム・・・ オッと ・ 美味しい ・ グビグビと一息に・・・
料理を注文する前には二杯目を頼んでいました。

料理は鮭が入ったラビオリでまぁイタリア風か・・・
付け合せにはこれまたオランダ特有のコロッケ・・・これが美味しい。

オランダ人はコロッケ好きで町には至るところにコロッケの自動販売機があるほどで、
それもインドネシア風とかお米のコロッケとかまであって種類が豊富です。

一方、別盛の皿にはグリルされた大ジャガイモがホイルに巻かれて鎮座しています。
上からサワークリームがタップリとかけられていて、これも美味しい一品です。

先ほどまでゴッホが描いた「ジャガイモ」に親しみ、今はこうして「ジャガイモ」を食べていて、何だかあの絵の中の農民になったような気分になりました。
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さて、明日はクレーラー・ミュラーへ向かうぞ・・・




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by Atelier-Onuki | 2016-10-13 23:36 | オランダ | Trackback | Comments(0)

「ゴッホを探しにヌエネンに・・・」

オランダ南部の街アイントホーヘンを北東へ向け出発したバスは長閑な田園風景を
抜け30分ほどで、Nuenen(ヌエネンまたはニュネン)に到着しました。

小さな町で周辺を住宅街が取り囲んでいます。
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バス停からは直ぐにこれまた小さな商店街が始まり穏やかな雰囲気です。
建物はレンガ作りのファサードで統一されていて綺麗な佇まいです。
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それに中央をはしる車道も良く整備されているし、歩道の外灯には花々が飾られていて良い雰囲気です。

店頭も綺麗に飾られ、ゴミ一つ落ちていない清潔ぶりは好感が持てます。
「頑張ってこの町を綺麗に保つのだ!」との住民の心意気が伝わって来そうです。

さて、なぜこの町に来たのかと云うと、ここはゴッホのお父さん(牧師)の新しい赴任先で、
ハーグで本格的に絵の修業を初めていたゴッホもここへ帰り2年ほど過ごしたからです。

ハーグでは面倒見の良いモーヴと云う画家に付いて教わっていたのですが、
初心者のゴッホに基礎である石膏像のデッサンを描く事を勧めていたにも関わらず、
もっぱらモデルを描くのに固執し続け、挙句の果てにはその身重のモデルと生活を始める有様でした。

意見の対立も絶えず経済的にも困窮を極めていたゴッホは、言わば失意のうちにヌエネンにやって来たのでした。

それでも風景を手始めに描き、特に力を入れたのが農夫たちの肖像でした。

これには尊敬するミレーの影響を強く受けているようです。

やはり牧師の息子だったミレーからは生涯に渡りそのモチーフやバックグラウンドに
ある宗教的な精神性の影響を受けています。

事実ここでは何と60点ほどと言う膨大な数の農民を描き、
その集大成としての「ジャガイモを食べる人々」を描いています。
それも習作を含め3枚も描いています。
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「ジャガイモを掘ったその手で、今はジャガイモを食べている。・・・顔も土に汚れた顔に表現したかった。」
ゴッホはこの貧しい農民達に対して、労働への尊厳を感じていたのでしょう。

これはミレーの「晩鐘」にも通じる精神で、ある種の聖画と捕らえることができます。

さて、商店街を抜けると中央に池のある公園にでますが、この角にはスケッチ・ブックを手にしたゴッホ像が立っています。
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この公園も良く整備がされていて思わず散策をしてみたくなります。
この角でも「刈り込んだ柳のある風景」を描いています。
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商店街は右側に折れ連なっています。
歩を進めると“Vincentre”と書かれた看板が垂れ下がった館が現れました。
これがゴッホ・ミュージアムになっているようです。
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早速に入場しましたが、なんとこんな田舎のミュージアムにも関わらず日本語のオーディオ・ガイドがありました。

展示は彼の生い立ちから始まり、学校やら絵の修業時代の年表が展示されていますが、展示方法は中々お洒落です。
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彼の母親や弟テオなどの肖像写真が額縁に納まっていて何かを喋っています。
例のオーディオ・ガイドを近づけると聞こえるシステムになっていました。
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2階では「ジャガイモを食べる人々」をテーマに、この時代の農家の暮らしぶりや、
室内もその当時の雰囲気で再現していました。
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ミュージアムを後にし暫くすると、ちょっとしたロータリーへ出ました。
ここには古い茅葺屋根の家が残っていて、ここでも一枚描いているようです。
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更に歩を進めると今度は教会の跡地へと出ました。
この教会の塔を何枚も描いていますが、少々手入れがされたとは言え、未だ現存していました。 
(実は今回の旅は、この教会跡が見たかったのがメインでした。)
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更に町の外へと散策を続けましたが、この辺の住宅も綺麗に整備されていて、
「オ~ォ」と感心することしきりでした。

ゴッホ好みの小川に沿って歩いていると遠くに風車も現れました。
オランダでも数が少なくなってきましたが、風車をみるとやはりオランダらしい景色だなぁと感じます。
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この町にはそれほど期待することもなくやって来ましたが中々素敵な所で大いに楽しむ事ができました。
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さあ、今夜の宿場、オッテルローの村へと向かうことにしました。


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by Atelier-Onuki | 2016-10-13 00:38 | オランダ | Trackback | Comments(0)