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ハイティンク・BRの演奏会「ミサ・ソレムニス」から

9月に入り音楽会シーズンもいよいよ始まりました。
今シーズン最初の演奏会はハイティンクとバイエルン放送交響楽団でベートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」と云う重厚な曲から聴くことになりました。
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この曲はベートーヴェン最晩年の大曲で、その内容の深さと重厚さに圧倒されます。

ウィーンでの初演はこの中から3曲だけだったそうですが、何と「9番」の交響曲初演の前に演奏され、
しかも最初には序曲「献堂式」とオマケに最後は「合唱幻想曲」までも演奏されたそうで、
この日の聴衆はさぞかしヘビーで大変な体験をしたようです。

でも、指揮者の一人としてベートーヴェン自らも指揮をしたそうで、
こんな歴史的な演奏会に立ち会って見たかったなぁ~と羨ましく思えます。

今は「カフェ・モーツァルト」の入り口になっていますが、当時はここからザッハー・ホテルにかけて「ケルントナー・トア」という劇場でした。

この一曲目「キリエ」の自筆の楽譜上部には”Von Herzen – Möge es wieder – zu Herzen gehen!“ 
「心から出でて、再び心に入らんことを・・・」と彼の願いが込められています。
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何時ぞやウィーン郊外のバーデンの町を歩いていたら、とある旅籠に「ここでミサ・ソレムニスが作曲されました。」
とのプレートが付いていて感慨深く眺めたことがありました。

唯、正直なところこれだけ「心を込めて」作曲されているにも関わらず、
受け取る側の私が未熟なため中々「心に入って来ません」でした。
ヘビーな曲なので今まで避けて来たこともあって、余り親むこともなく楽しむまでには至っていませんでした。
(もっとも楽しみを求める曲ではありませんが、・・・)

当日はこの巨匠の演奏を聴こうとの思いからか満席状態でした。
ハイティンクも84歳だとか・・・ それでもお元気そうでシャキとして登場されました。

冒頭の「キリエ」から緊張感を伴った演奏で始められました。
テンポやボリューム感もこの人特有の美徳でもある中庸を得たもので安心して聴き入ることができます。

高齢の指揮者に時折見受けられるゆったりとしたテンポなど微塵もなく、キリッと引き締まった速度で進められ、
時折金管などへは意図的にアクセントの指示をだしたり、中々意欲的な表現もみられました。

「グロリア」でのクライマックスの盛り上がり方など、ちょっと「フィデリオ」を思い起こさせます。
曲は「サンクトゥス」、「ベネディクトゥス」と進みヴァイオリン・ソロを伴った夢見心地のような綺麗な旋律が続きます。
そして終曲の「アニュス・デイ」が力強く歌われフィナーレとなりました。

オーケストラはもとよりソリストも合唱も良く練られた素晴らしい演奏でした。

こうして生の演奏に接するとCDではけして味わえない素晴らしさを感じとることができ、
こりゃもうちょっと勉強し直さなければと云う心境になり、また一つ宿題が増えてしまったようです。



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by Atelier-Onuki | 2014-09-30 17:31 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

クロード・モネ「印象・日の出」について

昨日のAsahi.comを見ていたら、このモネの描いたいわゆる「印象派」の語源となった「印象・日の出」についての記事が載っていました。
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それは長年問題にされていたこれは「日の出」か「夕暮れ」かの論争に結論つけるもので、
テキサス州の天文学者らが1872年11月13日午前7時35分ごろとやたら正確な時間まで算出し発表しました。

この疑問は実は何年か前にこの絵が描かれた「ル・アーヴル」の海岸を訪れた時から私自身の中でも沸々と湧いていました。

その日は夕暮れでしたが、この海岸特有のもの凄い勢いで潮が引いた後で、
この昔の写真の様に海底のヘドロがむき出しになり、港に着けられた船という船は傾いていました。
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それでも遠くに沈む太陽は霞み、大きな空や海を淡いピンク色に染め、
遠くには船の姿もブルーグレーに霞んでいてまるでこの絵に描かれた情景そのものの雰囲気でした。

その時に頭の中ではモネはどの位置から描いたのだろうと想像していました。
左手には彼がここで描いた別の絵にも工場地帯が広がっています。
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ただ、私が見ているのは明らかに夕日です。

ル・アーヴルは確かに北フランスで海は基本的に北側に広がっていて左側は西なのですが、
よくよく地図で確かめると、この海岸は西側へ張り出して正面は南西に向いています。

ひょっとして更に北西へ上って行けば何とか工場地帯を南東側にすなわち「朝日」を見ることも可能かも知れません。

まぁあれこれと想像を膨らませて画家がどの様な状況で描いたのか思い巡らせるも楽しいものです。

今の処は「日の出」と結論つけられたようですが、
所詮は絵の世界なので何処に太陽を描こうが画家の自由なわけです。

あれこれと想像を逞しく巡らせて鑑賞するのも一つの楽しみ方ですし、
逆に直感的に絵の世界へ入ってから想像を膨らませるのも楽しいもので、
名画にはありとあらゆるアプローチを楽しませてくれる懐の深さがあるようです。


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by Atelier-Onuki | 2014-09-11 23:59 | 絵画 | Trackback | Comments(0)

「ヘレンキームゼー城を訪ねて」

明けて日曜日も予報に反して秋晴れとなりました。

折角なので何処へ行こうかと思い巡らし「そうだ!ヘレンキームゼーへ行こう!」と
思い立って出かけました。

ここはザルツブルクへ行く途中に通るので[何時かは行こうかな?]と気にはなっていたのですが、
それ程山が迫っているわけでもないし、多分ベタッとした湖なのだろうなと余り興味をそそられていませんでした。

それでもかつて観たヴィスコンティの「ルートヴィッヒ二世」の映画の中で、
ここの鏡の間をロミー・シュナイダー扮するエリザベートが優雅に歩くシーンは印象に残っていました。

中央駅を出た列車は1時間ほどで、Prien am Chiemsee に到着しました。
ここから船着場まで蒸気機関車に乗ります。
もう大勢の人が乗り込んでいて満席状態です。
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遊園地にあるような機関車はゆっくりと、歩いた方が速いのではと思えるほどのノンビリさで走り出しました。
それでもちゃんと汽笛は鳴るし、踏み切りもあって止まっている車からも笑顔でやり過ごしています。
汽車はあっと云う間に船着場へ到着です。

色んな方面へ向かう船は結構頻繁に出ているようでチケットも機関車と共有できとてもリーズナブルな料金でした。

行って見ないと分からないもので、湖は思っていたより大きく、アルプスの山々も結構近くに迫っていました。
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船も満席状態ですが、15分ほどで “Herrn Insel” (男島)へ到着です。
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ここからお城までは長閑な道を更に15分ほど歩かなければなりません。
島を巡る馬車も出ているのでお年寄りやお子さん連れには楽です。
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ここで気をつけなければいけないのは、お城の入場チケットはここでしか販売していないので事前に買っておかなければ、
折角お城まで行っても入場が出来ません。

しかも時間ごとにドイツ語あるいは英語のガイドでグループ分けされ入場時間も指定されています。

いよいよ森の向こうに写真で見たことがあるお城が見えてきました。

それにしても噴水を湛えた前庭からお城にかけて中々広大です。
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地図で確かめると島を東西一直線に横切るように設計されていてダイナミックな発想です。
ルートヴィッヒ2世はルイ14世を尊敬していたそうで、ヴェルサイユ宮殿に似せて設計されたそうですが、
前庭の先にある島を掘り運河を引き込んでいる光景などさながらヴェルサイユを想起させます。
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ここは彼が作った3番目のお城だそうで、有名なノイシュバンシュタイン城、リンダーホフ城の後で着工されたそうです。
それにしてもミュンヘンの街中にもレジデンスがあるし、「いったい幾つお城がいるの?」と思ってしまいます。

事実このお城を建設中に財政破綻、王位失脚と続き、結局未完成のまま工事は終ってしまいます。
豪華絢爛な寝室も一度も使われないまま失脚したそうです。

予算が足りなくなった現実は大階段室にも見て取る事ができます。
一見は豪華絢爛に見える色とりどりの大理石の壁はイミテーションでよく見ると克明に描かれています。
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大理石の採石場が近いフィレンツェの建造物にはこれでもかとばかりに色とりどりの見事な大理石が贅沢に使われていますが、
ここでは大理石の入手は艱難だったのでしょう。

それでも良く描かれていて、云われなければ気がつかない程の出来栄えで、
「この技術は後の舞台装置などに生かされのかなぁ~」と想像をしていました。

ちょっと悪趣味とも思えるほどのこってりとした装飾の室内を見て周り、
いよいよ鏡の間と呼ばれる大広間に出てきました。

それはそれは長い部屋でひょっとしたらヴェルサイユより大きいかも知れません。
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絢爛豪華なシャンデリアには無数のロウソクが取り付けられています。
説明によると2000本近くものロウソクが付いているそうで、現在は防災や天井を保護する為に火は付けないそうですが、
3年ほど前に行われたコンサートでは全てのロウソクに火を灯したそうです。

ダイニング・ルームでは陶器のシャンデリアが目を引きます。
それはマイセンで作られたそうで、花々の装飾などきめ細かな細工で感心しながら見ていました。
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最後は大階段を降りるのですが、これは最初に登った大階段と同じ設計です。
ただ、ここは未完成でレンガの壁や補強の木組みがむき出しです。
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それでも後の装飾を促すべく壁にはアーチを初めとしたオウトツが規則正しい工事がされていて、
構造を伺い知ることが出来、興味深いものでした。

裏庭も大きな並木道が湖まで続いていて壮観でした。
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さてお城を後にし、高台にあるレストランで昼食、久しぶりの肉料理も美味しく頂きました。
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船を乗り継ぎ Frauen Insel (女島)へ向かいました。

ここは16世紀に建てられた修道院を中心にした住宅が点在しています。
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湖畔は素敵なプロムナードになっていて、どの家も綺麗に花々を植えていて楽しませてくれます。
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ただ、先程のビールが利いてきて気だるくもうこれ以上歩くのが嫌になりました。

船を乗り継ぎダラダラと帰途につきました。

ヘレンキムゼー城はそれほど期待しないで出かけたのですが、
なるほど一級の観光地だけあって、見所満載でとても充実したショート・トリップでした。


尚、城内の写真は撮影が禁止されていましたので、公式サイトから転用させて頂きました。


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by Atelier-Onuki | 2014-09-10 23:59 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

「久しぶりの晴れ間」

この夏はお天気も悪く、寒い日が続いていました。

この週末も小雨の予報で、出かけるのを諦めていたのですが、予報に反して
爽やかな秋空が広がりました。
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早々に買い物を済ませ、いつもの川原まで散歩に出かけました。

歩いていても薄っすら汗ばむ程度で、ちょうど心地よい爽やかさです。

考えることは皆同じで川原にも多くの人々が散策に来ています。

何時も一息いれる池端にある茶屋では民族衣装に身を固めたおじいさんが、これまた鄙びた感じでアコーディオンを弾いています。
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何時もより多くの人々も茶屋やベンチに腰を下ろして聴き入っていました。

弾いている曲も昔懐かしいものばかりです。
曲は「第三の男」から例の「ハリーライムのテーマ」がえらく崩れた調子で鳴り出しました。

皆知っている曲なので楽しそうに聴いていますし、中には通りかかった老夫婦など踊り出す有様でした。

そこへ運河上流から大音量が近づいてきました。

「あぁ~こりゃ イカダ流しだ!」・・・

これはイザール川上流のヴォルフラート・ハウゼンから出ているイカダ流しで、下流のタール・キルヘンまで25kmほどの行程です。
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大きなイカダに40人ほど乗っているのでしょうか、其々のイカダには楽隊も乗っていて、「飲めや歌えや」のドンちゃん騒ぎで下ってきます。
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途中、運河の急勾配に差し掛かると、まるで遊園地にある「ウォーター・シュート」よろしく皆さん大ハシャギで盛り上がっていました。
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さて、気持ちが良かったので私も本流に沿ってタール・キルヘンまで歩く事にしました。
ここからは更に4kmほど歩かなければなりませんが、川原の道は気持ちが良いし、
何と言ってもタール・キルヘンには美味しいアイスクリーム屋さんがあるからです。
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ブラブラと少し汗ばむテンポで歩いてお目当てのアイス屋では「アイス・コーヒー」を注文しました。
まぁ熱いコーヒーにバニラ・アイスを放り込んでいるだけですから、冷たくするにはアイスを底の方まで押し込んで、
良くかき混ぜてから飲まなければなりません。

その前には表面の生クリームをイヤイヤ食し、上部にスペースを作っておかないと大変なことになります。

生ぬるくてもカフェインのお陰で少しはシャキと回復して家路へとつきました。

さぁ明日のお天気は如何だろう・・・



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by Atelier-Onuki | 2014-09-08 21:32 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

「気づけば9月」

皆様、暫くご無沙汰していました。

先月は1日に日本へ出発し7日に帰ってきてからは直ぐに出かけたり、
デュッセルドルフへ打ち合わせに行ったりと、ほとんどミュンヘンには居ない怒涛の1ヶ月でした。

デュッセルでは東京と長々と打合せをしてフト窓の外を見ると何やら白く霞んでいました。
霧にしては煙った感じだったので、覗き込んで見ると何と向かいの裏庭から火手が結構激しく上がっています。
こりゃ火事です。
消防に電話をと思ったのですが、もう近くの人が通報した模様です。
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向かいのオジサンはホースで水を撒きはじめ格闘をしています。
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暫くして消防隊がやって来ましたが、中々ノンビリしたもので、キビキビ動いている様子ではありません。
やっと消火栓と繋ぎ、勢い良く散水がはじまりました。

オジサンが頑張った甲斐あってか、散水が始まってからは火の勢いが弱まり1時間ほどで延焼することもなく次第に収まりました。
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この光景を見ながら数年前の火事のことを思い出していました。

これは田舎道を散歩していた時の事ですが、しばらく前に落雷があったようで大きな家が勢い良く燃えていて、
消防車も十数台と大掛かりな消火にあたっていました。

結構長い時間に渡って消火活動をしていたようで、消防士もシフトを組んで交代しながらのようでした。
数人は休憩をとったりしていますが、フト横を見ると消防署の車なのですが、
それは移動式の屋台になっていて飲み物やソーセージなどの簡易食材も提供しています。

さすが長期戦になると消防士も喉も渇けば、お腹も空くはずで、
この準備の良さにはさすがと感心させらた事がありました。
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さて、気がつけばもう9月、木々にも紅葉が始まりました。
また、ブラームスが良く似合う季節となりました。


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by Atelier-Onuki | 2014-09-02 23:08 | デュッセルドルフ | Trackback | Comments(0)