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「アーヘン」にて

昨夜、打ち合わせに行っていたアーヘンから帰って来ました。

アーヘンと云っても郊外の“Verlautenheide”と言う地区で、
直訳をすると「人に知られた荒地」という具合で、文字通り畑と森に囲まれた小さな集落です。
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実はこの人口数百人くらいの集落には30数年前に住んでいました。
教会と、銀行、スーパーが1軒づつあってそれも小さな最小限の佇まいでした。

それはドイツで初めて働きだした時で、今付き合っている会社とは良きライバル会社でした。
こんな小さな地区にドイツでもトップ・レヴェルの造型会社が2社も競い合っています。

あれから30数年、景色は殆ど昔ながらの佇まいで残っています。

あの頃は何も知らず今付き合っている会社の横を毎日のように通っていましたが、
ドイツで初めて働きだしたのもこの町だし、今は定年を目前にして足繁くここを訪れていて、
何だか不思議な縁をフト感慨深く感じています。



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by Atelier-Onuki | 2015-01-30 02:09 | Trackback | Comments(0)

「サロネンとバイエルン放送交響楽団」の演奏会から

演目
Anders Hillborg : “Eleven Gates” for Orchester
グリーク : ピアノ協奏曲 ( ソリスト : Alice Sara Ott )
シベリウス : 交響曲5番

昨夜の演奏会は作曲家がスウェーデン、ノルウェー、フィンランド(指揮者も)と
さながらスカンジナビアの夕べという様相でした。
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サロネンの演奏を初めて聴いたのは、もう20年ほど前でまだスウェーデン放送交響楽団との演奏会でした。

その時聴いたマーラーの4番がやたらと素晴らしく、
もう3楽章辺りで完全にノックアウトされ目に熱いものを禁じられませんでした。

それ以来、彼の演奏は注意深く聴いてきました。

最初の曲は作曲家の名前すら知らない曲でしたが、結構複雑な構成にも関わらず、
さすが作曲家でもある彼は理路整然とした指揮ぶりで丁寧な表現をしていました。
まぁ私はこの手の現代曲には全く不案内なのでコメントはできませんが、・・・
演奏後は作曲家自らステージに登場し挨拶をしていました。

さて、次のグリークは久しぶりに聴くのですが、ソリストの紗良・オットさんを聴くのは初めてでしたし、
ここ数年脚光を浴びているミュンヘン出身で日系の彼女の演奏は楽しみでした。

エメラルド・グリーンのドレスに身を包み登場してきた彼女はスラッと背が高くそれだけでも目を引く存在でした。
噂通りハダシでしたがそれでも大きく感じました。

曲の冒頭はティンパニーの連打に乗ってスタイリッシュに弾き始められます。

ここを余りにも気合が入りすぎて、ちょっと恥ずかしい気持ちにさせるピアニストも間々おられるのですが、
彼女の場合は力強くでも重々しくはなくフレッシュな響きで爽やかさを感じさせました。

一転してゆったりとしたフレーズでは丁寧な表現に瑞々しい響きで好感がもてます。

時折、テンポに貯めを作り変化を与える余裕すら感じますし、
テクニックは云うまでもなくほぼ完璧です。

最終楽章のテンポを上げていく所でも完璧で、躍動的にピアノに向かっている様は
まるで豹か何かが獲物に向かって行くような光景を思い浮かべるほどです。

26歳という若い彼女にコクや深みを求める方が間違っていますし、
むしろこの曲にはこの若さが新鮮な印象を与え爽やかな気持ちになれました。

フィナーレの難しいパッセージも堂々とオーケストラと渡りあって一気に弾き切りました。

ステージ・マナーもちょっとお茶目な一面も覗かせて好感がもてます。

喝采に答えアンコール曲が弾かれましたが、出だしでその余りのポピュラーさに、
思わず会場から笑いが漏れたほどです。
それはベートーヴェンの「エリーゼのために」でした。

さてグリークに話を戻しますと、バックを付けていたサロネンが素晴らしく要所要所をしっかり押さえていました。
ともすれば時折ちょっと安っぽい響きになりかねない部分もある曲ですが、
引き締まった表現であくまでも格調の高い演奏をしていました。


休憩後はシベリウス、これは彼にとっては同国の作曲家でお手の物です。

この曲はシベリウスの生誕50周年の祝賀用に作曲されたそうで、
彼の曲の中では牧歌的で比較的明るい部分もあります。

それでも極寒の大自然を連想させる曲想には全般にどうしても暗さは漂っていますが・・・

ここでもサロネンの演奏はあくまでもキビキビとした進行の中にも格調ある丁寧な表現で感心しきりです。

彼の指揮スタイルは若々しく勢いが良いのですが、丁寧で見やすくこの辺にも
さすが作曲家ならではの楽曲構成などしっかりと見据えた表現が出来るのでしょうね。

それにスタイリッシュながらも、既に風格を漂わせていました。

この所疲れていて、どうしようかと迷った演奏会でしたが「行って良かった!」とつくづく感じました。


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by Atelier-Onuki | 2015-01-18 02:29 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

「ホーム・ページ更新のお知らせ」

ミュンヘンはここ1週間ほど毎日、雪交じりの突風が吹いて道路と言う道路は
足の踏み場もないほど木の枝が散乱しています。

それに酷い風邪も引いてしまったので、この週末は何処へも行かず家でジッと耐えていました。

とは言え何もしないでジッとしているのも性分に合わず、
この際ここ暫くの懸案だったホーム・ページの更新をしようと思い立ちました。
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まぁパット見は変わらないのですが、未だアップしていなかった絵を追加するのが殆どの作業でした。

始めてみると同じ大きさに絵のデータを揃えたり、入れ替えやタイトルの書き込み、
それに通し番号を変更していくのは結構面倒な作業でしたが、
まぁ取り合えずは更新することができました。

これからも折をみてボチボチ更新して行こうと思っていますので、
お暇な時にでもご高覧頂ければ幸です。



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by Atelier-Onuki | 2015-01-12 03:54 | 所感 | Trackback | Comments(0)

「ヘンゼルとグレーテル」バイエルン国立歌劇場の公演から

前回のブログでも書いたように、これは元旦に観に行こうと思っていたのですが、
「マグロ」の解凍に屈した形で結局は行けませんでした。

唯、昨シーズンにプレミエとしてモダンなスタイルで新演出されたこの演目は、一度観ておきたかったですし、
昨日が今シーズンの最終公演だったので14時からのマチネーを観に出かけました。

昼間ということもあってか、大勢の子供たちが来ています。
観客の殆どは家族連れで、和気藹々の雰囲気です。
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ロビーでは走り回る子供たちや、さっきまで元気に走り回っていた女の子が迷子になって突然泣き出し、
クローク係りの女性に抱っこされて一緒に母親を探しまわっている光景など微笑ましく眺めていました。

客席に付いても、子供たちは興奮ぎみで一番前の手摺に身を乗り出すように見ていたり、
立ったり座ったりとワクワクする気持ちが伝わってきます。
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熱い雰囲気のなかホルンの和音によって静かに序曲が始められました。

ステージ全面に大きな空の皿、粗末なナイフ、フォークが描かれたカーテンが現れ、
既に食べ物がない事を暗示しているようです。

序曲は神への感謝のテーマがロマンティックに奏でられ、その綺麗さにイカン、・・・
既にウルッと来てしまっています。

カーテンが上がり現れた小さな室内には古い冷蔵庫も置かれていて、
室内装飾からも時代はおよそ50年ほど前、比較的現代に近い時に設定されているようです。

ヘンゼルとグレーテルの衣裳や踊るシーンでの動きも現代風です。
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手伝いもせず遊んでばかりしていた子供たちを、帰宅した母親が森へとイチゴ積みに追いやってしまいます。

そこへホウキを売りに出かけていた父親が、「お祭りがあったので売り切れた!」と上機嫌で歌いながら帰って来ますが、
その歌詞の一節に“Hunger ist der beste Koch !”「空腹は最高の調理人だ!」と歌われます。

確かに的を得たセリフなのですが、この飽食時代に生きているものにとってはちょっと気の毒で切ない気分になってしまいます。

処でこの一家はホウキの製造、販売で生計をたてているのですが、
後に出てくる魔女はこのホウキに乗って空を飛び回ることと、因果関係を暗示しているのでしょうか?
もうこの辺は原作者にしか分からない所でしょうか。


さて、2幕目は森のシーンですが、ここでは室内・・・

それでも壁には木の葉が描かれた壁紙が貼られ、
壁際に立っているスーツ姿の6人は木の根っこの被り物姿で、充分森のシーンであることを暗示しています。

日が暮れだし道に迷ったことに気付いた不安一杯の二人の前には、安心して眠れるようにと、“砂の精“が現れますが、
ここでは黒子の歌手と動きを一体化した宇宙人のような裸でガリガリのお爺さんが出現します。

ちょっとグロテスクさのギリギリですが、その動きの扱いなど文楽のようだし、
シーンとしても綺麗な表現で感心すらしました。
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砂を振りかけるシーンでも、手からちゃんとキラキラと輝く砂を撒いていて、
子供たちも食い入るように見ていました。

普通は眠った後には天使たちが現れ、二人を守るシーンが展開するのですが、
ここでは大きな頭の被り物をつけたコックさんたちがユックリと現れ、
同時にステージ床からは魚の頭を被った給仕も登場します。

そしてヘンゼルとグレーテルは夢の中で、綺麗な衣裳に着替え、大きなテーブルはクロスが掛けられ食器や蜀台のセッティングを終えます。
再びコックさんたちは厳かに銀のお盆を手に登場し、もったいぶりながら一斉に蓋が開けられた中には、
美味しそうなありとあらゆる、本物のお菓子が乗っていました。
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一夜が明け、“朝露の精“に起こされますが、朝露は昨夜夢の中の食器類を流しでかいがいしく洗い、
その石鹸水を露がわりに撒いて起こす仕草はちょっと可愛くて笑えました。

いよいよ魔女が登場ですが、この辺からグロテスクさは増して行きます。

大きな口を開いて牙が出ているスクリーンが現れたシーンでは前に座っていた
6・7歳の男の子が怖がって小さな悲鳴と共に両手で目を被っていました。
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この辺は「未々ドイツの子は素朴だなぁ~」と安心します。

男声歌手が演じる太めの魔女は、老婆の設定でシワだらけ、これもグロテスクな表現です。

大きな冷蔵庫が開いた時などは、中に人の手や足が転がっていて、
“オット、こんなの子供見せて良いの??”と思ったのですが、
当の子供たちは食い入るように見ています。
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普通長いオペラなどの公演では、この辺で子供たちは退屈し落ちつかないことが多いのですが、
今日の子たちは益々食い入っていくようです。

まぁ最近はこれ位刺激があった方が興味が湧くのでしょうか。・・・

それでも限界は超えずに留まっている辺りはサスガです。
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最後はお菓子にされていた大勢の子供たちも息を吹き返し、
カマドの爆発と共に魔女のパンが出来上がります。
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皆は危機の極限から助かり、このオペラの大きなテーマの一つ“神に感謝”を捧げて幕となるのですが、
その直後に出演者全員がナイフとフォークを頭の上でカチャカチャと叩き、これから魔女のパンを一気に食べる暗示をして終ります。

途中のヘンゼルとグレーテルのお菓子を食べるシーンにしても、その食べっぷりは貪欲ですし、
我々農耕民族で貯蔵する文化圏の人種には理解しがたい感覚かもしれませんが、
狩猟民族のDNAの一旦を見たような気がしました。
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それでも全体的には見応え充分で、ジーンと来るシーンも度々あって、
地元でこれだけ質の高いオペラが観られるなんてつくづくありがたいなぁと思いました。

それにしてもこのオペラは物語りも良く出来ているし、何といっても音楽が聴き易い上に綺麗・・・タップリと楽しめた一日でした。


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by Atelier-Onuki | 2015-01-06 00:29 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

皆様あけましておめでとうございます。

例年ですと年末年始はデュッセルドルフで過ごすのですが、
今年は仕事の関係でミュンヘンを離れられずにいます。

大晦日は午前中でお店が閉まるので大急ぎでササッと買い物をすませ、
夕方からはチビチビやりながらベルリン・フィルのシルベスター・コンサートをTVで見ていました。

ほろ酔い気分で早めにウトウトし始めましたが、何時間たったのかしら窓の外から花火が炸裂する音が激しく聞こえてきました。
「ああ年が明けたのだ!」と気付きぼんやりと外を見ていました。

ミュンヘンで迎える新年は初めてでしたが、素人が上げるにしては中々立派な花火が続々と撃ち上げられ、
近いところでも上げているので迫力は満天、急に目が覚めてきました。

明けて新年は穏やかな陽が差し込んでいました。
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窓から外をみるとちょうど低い位置から淡いオレンジ色の朝日が、雪を蓄えた木々に映え、
まるでモネが描いた「アルジャントゥイユへの雪道」や「かささぎ」を連想させるようでした。
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風もなく穏やかな陽気に誘われて森を目指して散歩に出かけました。
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公園まで来て、小高い丘に登りアルプスを眺めましたが霞んでいて見えません。
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それでも子供たちは元気にそり遊びに興じています。
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その周りには昨夜の花火の残骸が所狭しと残っていますが、お構いなしに遊ぶ姿は微笑ましい光景でした。
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ニューイヤー・コンサートの放送を見たかったので、ソソクサと帰って来ましたが、家の近くの木々にはモネの「かささぎ」ならぬ、
「カラス」がノンビリと木に止まり日向ぼっこをしていてこれも微笑ましい光景でした。
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ニューイヤーはマンネリと分かりながらも、これを見ないと新年が来た気がしないので、これもチビチビしながらぼんやりと見ていました。

夜は「ヘンゼルとグレーテル」でも観に行こうかと思っていましたが、
そこで冷凍のマグロを解凍していた事にハタと気付き、結局「ヘンゼル」は「マグロ」の力に屈してしまいました。

さあノンビリできるのも今日まで、明日からまた引き続き辛い仕事が始まります。

では、皆様の幸多き新年を祈りつつ!!


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by Atelier-Onuki | 2015-01-03 00:46 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)