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ハイティンクとヨーロッパ室内管弦楽団の演奏会から

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先日の日曜日はハイティンクとヨーロッパ室内管弦楽団の演奏会がケルンでありました。

演目はモーツァルトの交響曲38番「プラハ」と
マーラーの「子供の不思議な角笛」でした。

ハイティンクも高齢なので聴く機会があればなるべく聴いておこうと出かけました。
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ヨーロッパ室内管もアバドによって創立されてから、かれこれ38年が経過します。
あのころはヨーロッパのユースオーケストラから優秀な奏者を集めて作られた
若いオーケストラでしたが、さすが7割ほどの奏者が年配の域になってしまいました。
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オーケストラが出揃い、いよいよハイティンクの登場かと思われましたが、
会場のマネージャーらしき人がマイクを手に出てきました。

こんな時は大抵碌なお知らせしかないので「あぁ急に体調を崩したのかなぁ~」と
半ば諦めぎみに聞き入ると、なんとこのコンサートに出演してくれるハイティンクに
対するお礼と来月90歳になる旨のお祝いの言葉で一安心致しました。

やっと登場となりましたが、ゆっくりと階段の手摺を持ち、
片側には介助の人が支えていて痛々しさすら感じました。

ステージ上でも介助の人と杖をつきながら、ゆっくりと中央まで到着しました。

かれこれ3年ほど前に聴いた時はヨチヨチながらも一人で杖もなく歩いて来られましたが、
この3年間で急に老け込まれたようです。

指揮台にもハイチェアーが置かれていて何とか座れました。

それでも振り下ろされた指揮棒からは「ダ~ン!」と締まりのある響きで始められました。
バイオリンがチャラチャラチャンと刻みながらクレッシェンドして行くあたりもモーツァルトらしい優雅なで心地よい響きがかもし出されています。
テンポも小気味良くだれた感じはありません。

この曲は「フィガロの結婚」の上演に先立ってモーツァルト自身の指揮によってプラハで初演されたので「プラハ」と言う副題が付いているそうです。
「あの小さいながらも愛らしい「エステート劇場」で演奏でされていたのだなぁ~」と
想像を膨らませていました。

色んな事を思い浮かべながら聴き終えていました。
まぁ全体的には良くも悪くもハイティンクらしく、無難に纏めたなぁ~という印象でした。

このオーケストラでのモーツァルトといえば、10数年前に聴いたアーノンクールとの
29番の交響曲が思い出されます。

それは2楽章で弱音を利かせた衣擦れのようで、
この世とも思えないような綺麗な響きにゾクッとし鳥肌がザァ~と立ったのを忘れる事ができません。

さて、後半はお目当てのマーラーの「子供の不思議な角笛」です。

これはドイツの古い民謡集から編纂して作曲された歌曲集で、
その奇妙で不思議な世界観が描かれています。

それでも元々が民謡や童謡ですので、マーラーにしては深刻な部分は少なく、
とても聴きやすい曲で大好きな曲です。
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ソリスト2人の登場と共にゆっくりと介助に助けながら登場されました。
まぁそんな訳で会場は割れんばかりの拍手ですが、これに圧倒された私は小さく拍手をしていました。

唯、この曲はややこしい事に、纏まった歌曲集として一気に作曲されたのではなく、
バラバラに作曲されたあとから10曲が編纂されました。

その後、追加された曲もあり指揮者によって解釈はバラバラ・・・

数曲カットしたり、逆に加えたり、順番を変えたり、歌手もソプラノとバリトンですが
歌う曲が変えられたり、場合によっては一人で歌いきったりとややこしく、私もよく分かっていません。

一般的には「歩哨の夜の歌」から始められますが、どうも違う曲が流れてきました。
「最初はエェ?・・・」と?マークがず~と続いていました。

2曲目で「むだな骨折り」が出てきてやっと聴き慣れた曲となりました。
これはソプラノとバリトンとのコミカルなやり取りですが、表情豊かに表現しています。
それも大げさな表現ではなく、とても好感がもてます。

歌手の二人は未だ若い領域の人たちでしたが、よく通る張りのある声ながら、けして声を張り上げることがない、とても実力のある人たちだと思います。
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3曲目の「不幸な時の慰め」もソプラノがとてもチャーミングに歌い上げました。

そして私の好きな6曲目「魚に説教をするパドヴァの聖アントニウス」は
何とも奇妙な話しを不気味ながらもコミカルな異次元の世界を表現しています。

この曲はマーラー自身もとても気に入っていたようで、交響曲2番でも3楽章で全く同じテーマと音楽を引用しています。

ハイティンクもモーツァルトよりもマーラーの方があっているのか、この変幻自在の音楽を操っています。
まぁ何といってもマーラーの音楽には仕掛けも多く、うねったり、歪んだりしながらも
ハッとするようなロマンティックで綺麗なメロディも浮かび上がります。

曲はデュエットによう「美しいラッパの鳴り響くところ」を終えと所で、
なんとハイティンクは楽譜を閉じてしまいました。

ちょっと焦ったソプラノが指揮台へ、すかさず歩み寄り、
これから演奏しなければならない最後の曲のページを開きました。

ハイティンクも我に帰ったように、「おお・そうだった!」とばかり彼女の肩をトントンと叩いていました。

一瞬どうなることやらと焦りましたが、ことなく無事に最後まで演奏を終えました。

又もや割れんばかりの拍手喝さいでしたが、ステージ脇まで下がったハイティンクは
そこでもう一度挨拶をして退場しました。

普通なら拍手に答えて何度もステージに登場するのですが、
この日はオーケストラも気を利かせ彼が退場した後、
直ぐに回り近所の奏者と握手をして退場して行きました。

ハイティンクがコンセルトヘボウと2度目に来日した1968年は、
私は浪人時代で丁度ポスターの課題がでた時、
このコンサートのポスターをオーケストラのシルエットで描いて作ったのを思い出します。

この頃はコンセルトヘボウのコンサートなんて憧れ中の憧れでしたが、
如何せん浪人性には高値の花で、単なる憧れでしかありませんでした。

あれからかれこれ50年・・・長い年月が過ぎてしまいました。


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by Atelier-Onuki | 2019-02-14 00:41 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

ドロミテにて

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日本から帰ってきて1週間、予定していたスキーに出かけました。
日本へ行くだけでも体力が持つか不安だったのですが、これからもっとハードなスキーです。

ここ数年は、スキー板を担いで歩いたり、いやスキー靴を履くだけで体力を消耗し、
どうなるのやら心配なのですが、まぁ行ったら行ったで景色の素晴らしさに誘われてツイツイ頑張ってしまいます。

ここ数年は「ortisei(伊)St.Ulrich(独)」というこの辺では比較的大きな町に滞在していますが、
お店やスーパーなども充実していて気に入っています。
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街並みも綺麗で大きなホテルも点在し、ちょっとしたリゾート地です。
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それに何と言っても私の好きな「Seiser Alm」へのゴンドラがあるからです。

このサイザー・アルムはヨーロッパ最大の高原といわれ、
雄大な山々を背景にした広々としたパノラマは素晴らしいの一言で何度見ても飽きることがありません。
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それにありがたいことにコースは2箇所だけちょっとキツイのですが、
概ね穏やかで年寄りでも安心して楽しく滑ることができます。

なだらかなので、カンジキを履いて散歩をしている人たちや、馬ソリに乗って散策を楽しんでいる人たちもいます。
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初日は毎回、途中のSanonという所で調子を取り戻すため何本か練習をしますが、
斜面が緩やかで滑っている人も少なく、スグに上手になったような錯覚に陥ります。
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ここからドンドン歩を進め一番奥にあるフローリアンという山を目指しますが、
滑ってはリフトを乗り継ぎながら、中々長い行程です。

フローリアンに着く頃にはちょうどお昼 ・・・
この界隈には3軒のレストランが点在していますが、どこも美味しいので迷う処です。
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この日は頂上のレストランでサッパリとスパゲッティ・ポモドーロを頼みましたが、完熟トマトが絡まった中々美味しい味でした。
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午後はもう帰路に沿って滑りますが、結構な行程なので帰りの時間も心配です。
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なるべく早めにモント・セウク頂上のゴンドラ駅に戻り、レストランのテラスでしばらく暮れ行く景色を楽しんでから帰路につきます。

休んでいると偶然2年前に知り合ったコーチと遭遇しました。
彼もスモーカーで喫煙仲間として話しをした事があったのですが、お互い良く覚えていたものでした。

さて、翌日からは少々遠征です。
先ずはセセイダという山へゴンドラとロープウェイを乗り継いで2500mまで一気に登ります。
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ここからクリスチーナ方面へ7kmほどのコースを休み休み下って行きます。
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一度、途中の小高いコル・ライザーと云う山にゴンドラで戻ってきますが、ここでも大体お昼くらいとなり休憩です。
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昔はちょっとコーヒーを引っ掛けただけで、また滑っていましたが、最近は休み休みの
連続でゆっくりと滑っています。

それでも周りには結構なお年寄りがいて、
歩いている時はヨボヨボしていますが、一旦滑り出すとヒョイヒョイと軽く滑っていくので,
「こりゃ負けていられないなぁ~」とちょっと無理をする時があります。

さあ、またセセイダまでリフトで登り、今度はオルティセイの町まで谷下りです。
このコースは10kmちょっとの距離で途中、何度も休憩を入れながらの行程となります。
途中、数箇所厳しい所もあるので気合を入れて滑ります。

コースの終りに近づくと、私の好きなアンナー谷のロッジあり、何時もここで休憩を入れます。
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遠征は続きますがセラ峠の眺めも絶景です。
雄大なセラ山と岩山サッソ・ルンゴに挟まれた広々とした斜面にゴツゴツとした岩が点在しその周りにモミの木が茂り、なんとも言えないほど素敵な眺めです。
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コースも概ねなだらかで景色をチラ見しながらの楽しい行程です。
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中継地点で良く立ち寄るピッツ・セテウアという所のレストランでは美味しいシュニツェルが待っています。
この2階はちゃんとしたレストランでここも美味しく頂くことができます。

セラ山を眺めながらの食事は格別な味わいです。

唯、ここへは先ず最初にゴンドラで登った所のチャンピノーイから滑りだすのですが、
ここがこの界隈最大の難所で、精々400mほどのコースですが中々キツイ傾斜で、しかも大抵コブだらけ・・・

この上に立った人たちは大抵しばらく、どう克服するか悩んでからスタートをしています。
案の定、途中で転んでいる人も多く、救助隊が駆けつける光景も何度か目撃しました。
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もう4日目ともなると調子も出てきて、さらに遠くを目指します。
お目当てはこれも私の好きなプラロンガという山です。

標高は2100mほどで大したことはないのですが、ちょっと山の端っこ感が漂っていて
この界隈の裏側に広がるコルチナ方面の3000m級の山々も見えています。

遠くにはこの辺で一番高いトファーナも白くそそり立っています。

景色は殺伐とした雰囲気で私は勝手に不思議空間と呼んでいます。
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ここから下のサン・カッシアーノへ向けて滑りますが7kmほどのロング・コースでしかも概ねなだらか・・・
途中からは林間コースとなり、これがとても気持ち良い滑降です。
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かつてはここのハイライトであるセラ・ロンダ(セラ山1週コース)を楽しんだものですが、
さすが1日で45・6kmも滑る元気はなくなってきました。
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まぁ朝起きてよほど元気で気合も充実していたら決行するかも知れませんが、
年相応にゆっくり行った方が賢明でしょうね。・・・
夜、一杯やる元気も残しておかなければならないし・・・
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たかだか年に1週間ほど滑るだけですが、それでも毎回少しは上達したような気分になり、
もう来シーズンに向けウズウズしています。

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by Atelier-Onuki | 2019-02-09 01:56 | イタリア | Trackback | Comments(0)

日本滞在 4 - 清水から三十三軒堂へそして大阪 -

この日は大阪へ移動ですが、夕方まで時間があるので清水さん界隈を散策することにしました。

風情のある清水坂をブラブラと上りはじめましたが、
観光バスなどが止まる駐車場がある辺りから外国からの方々で溢れだしました。
まぁここは割り切って清水寺へと歩を進めました。
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未だ工事中なのは知っていましたが、足場の掛かった大舞台はそれなりに見応えがあるし、
一部開放されている舞台からの眺めは素晴らしく充分堪能することができました。
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小雪が舞い散りだしましたがダラダラと下り、先ほど舞台から見えていた
可愛い三十の塔(子安塔)へも足を延ばしながら散策を楽しみました。
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帰りは茶碗坂を下りましたが、この辺で清水焼が焼かれていたようです。
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バスで3駅ほど、今度は三十三間堂を目指しました。

ここも何時ぞや中学生ころに来た記憶があります。
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まぁ三十三間堂と言われているだけに、長~いお堂です。
ここではお堂の端まで弓を射ったことで知られていますが、
的まで約60mと凄い距離を射ったものです。
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早々に中に入ると暗い堂内はすでに厳かな雰囲気が醸しだされています。

まず目に入ってくるのは騒然とした仏像の数です。
整然と並べられた仏像は何体あるのでしょうか・・・
(後から調べたら1001体あるそうです。)
その数と言い、こんな事を考えた発想には圧倒され感心すると共にそのシュールさには不気味さすら感じられます。
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所々手前に建っている風神や雷神を始め「二十八部衆」(この名称も後から知りました)と云われる仏像たちは、
小ぶりながら動きもあり、そのリアルな表現力は彫刻として見ても凄い完成度の高い芸術作品です。
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そして圧巻は中央にドンと座す「千手観音」でしょう。
千手・・・千本も手があるのですよ・・・
其々の手にもつ物にも意味が込められているのでしょうが、誰が発想したのでしょう!!
ここでもその圧倒されそうなシュールさにしばし感慨深く眺めていまいた。

荷物をピック・アップするためホテルへ戻り、大阪へと向かいますが、
このホテルへ曲がる角に一軒の古い「タバコ屋」が建っています。

このお店では90歳中ほどのお爺さんが切り盛りしていて(と言っても動きは遅いのですが・・・)
前回行った時も大丈夫かなと、心配をしていたのですが、今回もゆっくりとした動きながらご健在で安心しました。

このお店の裏にはL型に食い込むようにコンビニが建っていますが、
このお爺さんに気を使っているのか「タバコ」は置いていません。
(ひょっとしたらこのコンビニの敷地もお爺さんのものかしら・・・)
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さて、大阪では高校時代の親友と一献傾けました。
彼のお気に入りのお店で、私も3回目です。
年配好みの落ち着いた雰囲気の日本料理やで、ブリシャブなど美味しく頂きました。

いよいよ、大晦日となり、やっと家族と合流です。
お昼は偶々見つけた「浪花そば」という蕎麦屋で年越し蕎麦の予行演習・・・
都会のビルに囲まれた古い建物で老舗感を醸しだしています。
大阪では蕎麦やは少ないのですが、とても美味しく頂きました。
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夕食は・・・やはり年越し「うどん」・・・
娘が「行ったことがない!」と云うので「そりゃ行かにゃ~」と道頓堀にある「今井」へ向かいました。
この天下一品の「うどん」は一度試してほしかったからです。
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とても込み合っていまいたが、ラッキーなことに2階の落ち着いた座敷に案内されました。
お品書きを見ると、いや嬉しい事におつまみになりそうな料理がいっぱいあります。
そうそうここは「うどん」で有名ですが、懐石弁当なども販売しているので期待がもてます。
それに何と言って「出汁」・これは間違いなく美味しいはずです。

「タイの昆布締め」、「出汁巻き卵」、「スグキのヌタ合え」・・・
どれもこれも上品な味付けで、器も良いし盛り付けも良しで宴は延々と続きました。

やっと仕事を終えた長女も合流し、大阪での大晦日は大いに盛り上がりました。
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さあ、明日は長旅が待っています。



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by Atelier-Onuki | 2019-02-08 01:15 | 日本 | Trackback | Comments(0)

日本滞在 3 - 寺田屋と酒蔵巡り -

伏見稲荷から京阪電車の駅まで境内から少し歩きますが、参道にはお正月を控え屋台が目白押しに建っています。
人でも多く、掻き分けながら進みました。
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京阪「伏見稲荷」駅では“お稲荷さん”が販売されていて結構な人気です。
「稲荷で稲荷か・・・」とちょっと気をそそられましたが、
ここはぐっと我慢してちょうど到着した電車に乗り込みました。

中書島へ行った目的は、まず竜馬縁の「寺田屋」を訪れ、その後ブラブラと酒蔵めぐりを楽しむことでした。

取りあえずは腹ごしらえと歩き出しましたが、あまりお店がありません。
たまに出くわしても閉まっていて、何だか寂しくなります。

やっと古くて鄙びた中華屋さんが何とか営業中のようです。
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恐る恐る扉を開けるとカウンター1本の店で、誰も座っていません。

もう2時をまわっていたので、ここでも恐る恐る「すみません・・・未だ食事できますか?」と訪ねたところ・・・
「ハイ・どうぞ・どうぞ」と心強い返事・・・良かった・・・

ここは念願の「酢豚」にしようと心に決めました。
普段は余り美味しくない「酢豚」しかないので、
日本人が調理する一般的で素朴な「酢豚」は日本で食べる楽しみの一つでした。

暫くしてご婦人が2人入って来られました。
近所の常連さんらしく、入ってきて直ぐに「私ランチ・・・」、「私も・・・」と速攻です。

エエッ「ランチってあったんだ・・・」、何なんだろうと気になります。
カウンター越しに見ていると、フライパンをもう一つ、隣のレンジにのせ卵を投入しました。
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私の「酢豚」にも野菜が投入され、そろそろ完成間直・・・

すると用意されていた3つのお皿に「酢豚」を分け出しました。
「エエッ・・俺の酢豚・・・」と一瞬叫びそうになりましたが、冷静に眺めていると、
どうやら「俺の酢豚」と思しき皿には多めに投入されたようで、一安心・・・

どうもこの「ランチ」は「酢豚」と「芙蓉蟹」のセットのようです。
安堵感と共に「ああ俺もあれにしたら良かったなぁ・・・」と心の中で呟いていました。

それでも久しぶりに食べる日本の「酢豚」の味は美味しくて、充分満足致しました。
さて、お腹も満たされ温かくなったので元気が戻ってきました。

いよいよ「寺田屋」です。
それは橋を渡ると直ぐ左手に見付かりました。
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なるほど宇治川からの運河沿いに建っていて、船宿であったことが充分伺うことができます。
ここで起こった二つの大きな事件で有名ですが、実際の建物は「鳥羽伏見の戦い」で消失したそうで、その後立て直されたものだそうです。

それでもあの司馬僚太郎さんの「竜馬が行く」を読んだ時のシーンが蘇ってくるようです。
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早速館内に入り二階へと上がりました。
部屋は六畳間が三部屋ほどでしょうか、小さく感じます。
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真ん中の部屋は竜馬が泊まっていた部屋で掛け軸や写真など竜馬縁の品々が展示されています。
中でも事件の折、実際竜馬が使用したピストルもオリジナルが展示されています。
これは中岡慎太郎から贈られたスミス&ウエッソンで、当時としては最新式の6連発銃でした。
竜馬が逃げたとされる裏階段や、その時お龍さんが入っていたとされるお風呂も再現されていて、充分に当時のことを彷彿させてくれます。
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それに、竜馬を知っている外国の人はまずいないので、ゆっくりと竜馬ファンのオジサンたちに囲まれて楽しむ事ができました。
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さて、いよいよ酒蔵巡りです。
先ずはちょっと戻って一番大きな「月桂冠」の酒蔵を目指しました。
疏水越しに見る醸造所は、立派な塀に囲まれた風格のある建物で味わいがあります。
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正面玄関の駐車場にはやはり、飲兵衛だろうと思しきオジサンが熱心に写真を撮っていました。
(まぁ私もその一人ですが・・・)
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中も昔ながらの趣がある建物で月桂冠の歴史博物館も興味深く観賞できました。
中庭も大きな樽が転がっていて古の時を感じさせてくれます。
ショップでは2種類の利き酒をさせてくれました。
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ほろ酔い気分で次の「黄桜」へ向かいました。

ここはもっと開放的なミュージアムで入場が自由です。
とくに「黄桜」といえば河童のキャラが有名で、ミュージアムも「カッパカントリー」と名づけられ、
日本各地に伝わる河童伝説を紹介していました。

カッパの手などのミイラは展示されていましたが、残念ながら小島功さんが描かれた様な色っぽいカッパはいませんでした。
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さて、竜馬通りと名付けられた古い町並みを進み、賑やかな商店街へと出てきました。
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もう一軒、お目当ての酒蔵がありました。
それはちょっと外れた所にあるので、
迷ったのですが商店街の角にあるお店で買った鯛焼きで一息ついてから探すことにしました。

この酒蔵は時々メールを下さる方から、もし京都へ行くなら是非お進めお店として教えてもらっていました。
商店街からは相当離れているので、もし教えてもらっていなかったら行く事はなかったでしょう。
「おきな屋」さんという橋の袂に建つ小さな酒蔵で、いそいそと中へ入りました。
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既に私と同年輩くらいの紳士が家族連れで来られていました。
何杯か試飲をされていて、私がモジモジしていると「どうぞ・どうぞ」と奥へ入れてくれました。
いや、酒飲みの人情なのでしょうか・・・
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私も一杯、生酒を試飲させてもらいました。
口元に寄せるとファ~となんとも爽やかな香りが・・・ 一口含むとまぁ何とも円やかな風味・・・ そして深みが残る後味の良さ・・・

その間、この紳士は「では、これ2本貰います!」といっています。
いやぁ、「私も一升瓶で2本 !」と言いたいのですが、如何せんスーツケースに放り込んでの長旅です。
渋々、小さなボトルを1本頼んだところ、外の樽から引かれたホースの付いた蛇口から直接空瓶に注いでくれました。
蓋もちゃんと栓をした後から銀紙のカバーを特殊な道具で熱を加えながら密封してくれました。
これなら漏れることもなく安心です。
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この後も元気だったら「油長」さんとか「伏見酒蔵小路」も回りたかったのですが、この日はもの凄く歩いたし、ちょっとほろ酔い気分になったので、これは次回の宿題としました。
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さあ、明日は清水さんあたりを散策してから大阪へ向かいます。



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by Atelier-Onuki | 2019-02-06 00:17 | 日本 | Trackback | Comments(0)

日本滞在 2 - 伏見稲荷 -

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翌日は、一度行ってみたかった伏見稲荷へと向かいました。
JR稲荷駅を降りると、直ぐ目の前に山門が建っていました。
ここも大勢の外国人で溢れています。
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稲荷山までは結構な道のりなので途中の千本鳥居あたりで引き返そうと登りはじめました。
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千本鳥居を過ぎもうちょっとだけと、“根上りの松“があるあたりへ来ると、
本道とは別に脇道が一本・・・
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そこの看板には「稲荷大神」方面とあり(静かな竹林)と書かれています。

脇道も竹林も好きな私は引き返すのも忘れ、キツネに騙されたように誘いに乗ってしまいました。

静かな祠を抜けるといよいよ竹林が始まります。
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そのスケールや素晴らしさは嵯峨野と遜色がないほどですが、
ここは余り人通りがなく静かに散策が楽しめます。
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遠くの山々も見えますがこの辺は竹林が多いのか、その柔らかくて清々しい色合いの竹林が連なっています。

やっと竹林を抜けると杉林へと続きますが、
ニュースでも報じられていた突風でしょうか、たくさんの木々が倒れています。
幹の途中で折れたものや、根っこごと倒されている木々もあって、とても痛々しい光景です。
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暫し感慨に耽りながら木々が生い茂った山道を暫く進むと「八嶋の龍」という所に出ました。
ここは所狭しと鳥居が付いた小さな祠が密集していて不思議な光景を放っています。
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さすが稲荷だけに、全てに「キツネ」が祭られていて、
ビッシリと詰まって並んでいる様子はシュールそのもので、やや不気味ながらも、そ
の雰囲気を味わっていました。
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道は未々続きますが、また「青木が瀧」という似たような感じの社に遭遇・・・
もう何だかキツネに抓まれたような気分になってきました。

ドンドンと進み「七面瀧」辺りまで来ると、道は少し開け3・4軒の民家が斜面に面してポツポツと建っています。
この辺も突風が吹いたのでしょう、木々は無残に倒れています。
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一番上の民家を抜けると、ここからはブロックの蹴上げに土を盛っただけの階段がジグザグと続いていますが、一段のステップが高くハードな行程となります。

殆ど山道といって良いほどで、何度休みながら登ったことでしょう。
途中、欧米系の家族が抜いて行きましたが、お父さんは「ハード・ハード」と苦笑いしながら登っていきました。
中学生くらいの息子ですら「ハァハァ」と息を切らせながら、真っ青な顔つきで続いていきました。

それでもやっと頂上近くの鳥居が見えたので、後ろを振り返り暫く休んでいました。
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稲荷山頂上と思われる一の峰にも密集した祠が建っていて「末広大神」と書かれています。
その一番上にもお稲荷さんの碑が建っていて、若い宮司たちがしめ縄を取り付けている最中でした。
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帰りは本道を通って下りましたが、結構長い道程にも関わらず楽に下っていきました。
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八島の池には立派な休憩所があったので一休み・・・
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お昼も過ぎようとしていましたが、次の目的地、中書島へと急ぎました。


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by Atelier-Onuki | 2019-02-05 19:33 | 日本 | Trackback | Comments(0)

日本滞在 1 芦原温泉から京都へ

昨年12月中旬からお正月まで日本に滞在し、
1週間後にはスキーに出かけようやく先日戻って来ました。

当初は体力が持つか心配をしていたのですが、何とかこなす事ができました。


- 芦原温泉から -

日本では娘の婚約と入籍を機に、お相手のご両親に挨拶をするため福井の芦原温泉へと向かいました。
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宿泊先のホテルで会食をしたのですが、お父さんが気を遣って地元の銘酒を持参してきてくれました。
“梵”という銘柄でその中でも一番良い飛び切りの超吟醸だそうで、ご本人も始めて飲まれたそうです。
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会話もお酒も弾み、楽しい一夜を過ごしました。

唯、翌朝はちょっとした緊張も解れたせいか、案の定二日酔い・・・
それに風邪もひいてしまったようでフラフラです。

市役所で入籍の手続きも付いていきましたが、途中からは車の中で休んでいました。

その後、観光地として有名な東尋坊へもつれて行ってもらいましたが、
崖っぷちに立ってもフラフラしていて突端の方までは行けませんでした。
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昼食は海鮮の店が建ち並ぶ一軒に入り、皆は牡蠣だとかエビだとかの炭焼きを頼んでいますが、
私は一向に回復には向かわず、結局はまた車に戻って休んでいました。
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娘はそのまま芦原に残り、家内と帰路に付きましたが私は単身京都で途中下車、
家内はそのまま大阪へと帰りました。

各々の好みでバラバラに動く、何とも我が家らしい光景となりました。


- 京都にて -

京都へは昨年久しぶりに行ったのですが、
さすが奥が深くもうちょっと探索してみたかったので今回も寄ってみる積もりでした。

着いた夜は居酒屋で一杯やりたかったのですが、まだ二日酔い状態・・・
蕎麦でも食べて早く寝ようとしましたが、9時をまわっていたので蕎麦屋は殆ど閉まっています。

歩いていると“一風堂”に遭遇しました。
噂には聞いたことがあるのでラーメンで代用する事に・・・
ラーメン自体も美味しかったのですが、博多ひとくち餃子の美味しかったこと・・・
特に豆板醤はゆず風味でとても美味しく頂きました。


- 上賀茂神社と下賀茂神社そして祇園へ -

さあ、明けて寺社仏閣巡りです。
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この日は上賀茂神社からスタートし下賀茂神社を巡りました。
特に下賀茂神社では尾形光琳が描いた「白梅紅梅図」で描かれた梅かもしれないという梅ノ木があって、
フ~ムフ~ムとアチラから此方からと感慨深く眺めていました。
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それにしても、神社の境内を流れている川の水が透明で綺麗なこと・・・
源流に近いのでしょうか・・・そういえば鴨川も綺麗な水が流れていますね・・・
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それに下賀茂神社の正面鳥居の前方に古代の神社が発掘されたそうで、
ちょっと散策路が設けらていますが、ここが原生林の湿地帯のよう・・・
歩いている人もいなくて、とても静かな散策を楽しめました。
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夕方には祇園へと出向きその風情ある家並みを楽しんでいましたが、
如何せん外国からの観光客の多さに圧倒されていました。
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それでも脇道はそれほど人も居なくて、その風情を味わえました。
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花見小路を抜け“建仁寺”の境内へと入りました。
ここまで来ると少しは人の数が減ってきます。
何の予備知識も無かったのですが、どうも俵屋宗達の「風神雷神」があるようです。
迷わず参拝することにしました。
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それは大書院のお庭越しに見えてきます。
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近くへよってフムフムと眺めていましたが、その一筆で描かれたような筆致は勢い良く描かれもの凄い筆さばきです。
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それにしてもこのテーマと言い構図と言い、いやぁ~何ともシュールで
この俵屋宗達って人は何ともユニークな人物だったのだろうかと感心しきりでした。

(後から知った処に寄ると、ここにあるのは複製画でオリジナルは博物館にあるそうです。
 残念・・・今度は博物館へも行かなきゃ・・・)

さあ明日は伏見へ向かいます。



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by Atelier-Onuki | 2019-02-01 01:17 | 日本 | Trackback | Comments(0)