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ゴッホ - 5 (跳ね橋とクロー平原) [ ドイツ・ニュース・ダイジェスト 10月のコラムから ] 

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アルルでのゴッホは絵の題材を求めて精力的に歩き回っています。

到着した2月には雪景色を2枚も描き上げていますし、
翌3月には街から1km以上も南に下がったラングロア運河に掛かる
「アルルの跳ね橋」を見つけ、2枚も描いています。
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跳ね橋はフランスでは数少ないのですが、故郷オランダでは典型的な橋なので郷愁を感じたのでしょうね。

余程気に入ったのか4月にもう1枚と5月には対岸からの眺めを描いています。
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一度見たかったので近くまで行きそうなバスに乗り込み、跳ね橋を目指しました。
降りたところ周りは何もなく、カラッカラッの畑ばかりが広がる平原をそこそこ歩きました。

やっとそれらしき跳ね橋が遠くからポツンと見えて来ました。

橋を渡った袂には一軒の古い農家が寂しく建っています。

この跳ね橋は復元された物だそうですが、彼が描いたアチコチの位置に立って感慨深く眺めていました。

3月から5月にかけては果樹が見事に咲き誇るので、絵描きの気持ちを沸きたたせます。
ゴッホも桃を初めアンズやリンゴ、梨にアーモンドなどの果樹園を連作のように描いています。

そして6月にはクロー平原で麦畑や収穫の風景をこれまた数多く描いています。

中でも私が好きなのは「クロー平原の収穫」と題された1枚ですが、
穏やかで長閑な田園風景が描かれています。
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時期的にも6月で最も過ごし易い季節ですし、ゴッホも穏やかな気持ちで描いているようで、
ここには彼独特の激しいタッチや強烈な色使いなどは見受けられません。

空も南仏の抜けるようなブルーではなく、くすんだエメラルド・グリーンに抑えられています。

青みを帯びた荷車が中央に置かれ、西洋画の構図としてはアレッと思ってしまうのですが、
浮世絵の奇抜な構図を意識したのでしょうか。・・・

それを中心に収穫をする人たちや家路に向かう荷車が、
そして遠景には彼らが帰るであろう農家が点在しています。

遠くにはアルピーユ山脈が描かれていますが、それほど高くない山脈は安心感すら漂い、
暖かく長閑で平穏な日常が描かれています。

私はこの絵を見ていると必ずビゼーの「アルルの女」からの「パストラール」が
頭をよぎりプロヴァンスの暖かい風を感じています。



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by Atelier-Onuki | 2019-10-22 23:58 | コラム | Trackback | Comments(0)