先日ミュンスターへ行った途中に、ハルターン・アム・ゼー(Haltern am See)という所を通りました。 何でもここの森の奥にはハイデ(荒地)があるそうで探索してみる事にしました。 ハイデといえばリューネブルクが有名ですが、ここはどんな感じなのでしょうか・・・ 駅前で自転車をレンタルし向かうことにしました。 途中で道を間違えたりしてアチコチと遠回りをしましたが、 それでも中々心地よい道も通り久しぶりのサイクリングを楽しんでいました。 やっと目的の道に辿りつき高速道路に沿って2kmほどの道を延々と走っていると、森の中へ入っていきました、 大きな較差点に差し掛かり、この辺かなと森の中へ進んで行くと、出てきましたハイデが・・・ それに思っていたよりも広大で、こりゃちょっと期待が持てます。 やっと着きホッとしたので入り口付近のベンチに腰を降ろし一服です。(と言っても火の出ないIQOSですが) イギリスではヒースと呼ばれていますが、ドイツではエリカ、チラホラと咲き出していますが、未々のようです。 これは地味な花ですが一帯が咲き乱れると、全体が色に染まりさぞかし綺麗だろうなと想像していました。 さて、自転車に跨り奥へと進んで行きました。 荒野の中にも人が通れる様、道が付いていますが中々のアップ・ダウンのコースで、 途中砂地もあり深いところではハンドルが取られ上手く進めません。 榛松が迫った狭い道もあって、そこは自転車を降り、押しながら進むしかありませんでした。 それでもチラホラと来ている人たちもいて安心です。 中央付近では、なだらかな丘陵が広がり、ここがエリカ咲き乱れたらさぞかし綺麗だろうなと思わせました。 グルッと半周くらいしたでしょうか、今日は初めてなのでこの辺で切り上げ、湖に沿って帰ることにしました。 喉も渇いて来ていたので、途中にあったビア・ガーデンが気になっていました。 この隣には森の中にアスレチックの設備がありましたが、 大きく中々の本格的なもので大勢の大人や子供が楽しんでいました。 お目当てのビア・ガーデンに行きましたが、ちょっと混みあっているようなので、 こうなったら街まで引き返し、そこで昼食を取ることにしました。 帰りは慣れたものでスイスイと走りました。 喉の渇き具合が急がせたのかも知れませんが・・・ 鉄道のガードを潜り、街中へと進んだ所、ビンゴで教会が建つ中心部の広場へ出ました。 この広場もちょっとオランダの雰囲気が感じられ、レストランなども点在し良い雰囲気です。 こんな小さな街なのに大勢の人たちが散策していてちょっとした観光地なのでしょうか。・・・ ちょっと奥に離れたイタリアンで昼食を取ることにしました。 出てきたおビールは“Herforder”とかいう地元の生ビールで、 一気に飲み干し注文をした「トリフ入りパスタ」が出てくる頃には2杯目を頼んでいました。 ほろ酔い気分の中、ご機嫌で岐路につきました。 後日、このハイデの写真をネットで見ていると、 何とよくディズニーの「白雪姫」などで出てくる真っ赤で白い斑点が付いたキノコ(ベニテングダケというらしい)がいっぱい写っていました。 撮影日を確かめると何れも10月で、コリャ10月にも又行かなきゃと思っています。 #
by Atelier-Onuki
| 2021-08-03 23:00
| ドイツ
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ドイツやオーストリアの川や湖で釣りをするにはライセンスが必要で、 それには2週間ほどの講習を受け試験に合格しなければならず面倒です。 その点、ヨーロッパの他の国々では制約が緩い所もあり、旅に出る際は“延べ竿”を1本忍ばせて行くことがあります。 日本の“延べ竿“は素晴らしく軽くて、たった40cmほどの竿が4.5m位まで延びますし、 仕掛けも糸は弾力があって強く、ウキやハリも優れものです。 田舎の川辺や湖で釣っていると、周りにいる釣り人たちからは注目の的となります。 釣りをする東洋人だけでも珍しいのに、その見たこともない釣具に興味深々です。 暫くは遠目に眺めているだけですが、その内パラパラと近寄ってきては、 「どんな仕掛けを付けているのか」とか、「餌は何を使っているのか」、 そして「1回持たせてくれないか」と尋ねられることがよくあります。 コルドバに行ったある時、街外れに流れているグアダルギビル川で釣り始めました。 そうあの「カルメン」の1幕目フィナーレ、カルメンが逃亡いたしますが、その目的地はこのグアダルギビル川の川向こうでした。 それだけでも興奮するのに、茶褐色の川面には魚の背びれが見て取れます。 益々、興奮が高まっていきます。 釣っていると、案の定1人の釣り人がやって来てはお決まりの質問・・・ 餌は何時も通りパンを捏ねたものを使っていたのですが、「これじゃ駄目だ!」と云うのです。 一旦帰って、暫くすると「これを使え!」と手渡されたのは、茶色くてフニャフニャした物体です。 「何これ?」と尋ねると「パタータ・フリットスだよ!」と数本手渡してくれました。 へぇこんなもので釣るのだと半信半疑ながら、この餌に付け替え竿を下ろすと、何とすぐさま、ものの見事にヒットしました。 しかも大物らしく左右に力強く走り回ります。 暫く格闘していると1人また1人と集まってきて、竿を抑える人、網を持って走ってくる人、私は呆然としてただ竿を持っているだけでした。 結局は3人掛かりで、40cmはあろうか大きな鯉が釣り上げられました。 皆さん自分のことのように喜んで、日焼けした褐色の顔から白い歯がこぼれていました。 #
by Atelier-Onuki
| 2021-07-27 00:20
| コラム
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ここデュッセルドルフの公共交通機関(Rheinbahn)が発行している定期 Ticket1000 や Ticket 2000 などは 普段からとても素晴らしく使いやすい便利なTicketなのですが、更に、この夏は特別なキャンペーンが企画され、 何と7月3日から8月17日までの学校が夏休みの間、平日でもこの州内全域が乗り放題となりました。 ノルトライン・ヴェスト・ファーレン州はそこそこ大きく関東地方くらいの大きさですので結構色んな所まで行けます。 まぁコロナ禍でアチコチ行けなかったので、せめてもの慰めなのでしょうか、ありがたい考えです。 そこで先日はこの州の北にあるミュンスターへ出向きました。 デュッセルドルフからローカル列車の直行で1時間半ほどの街です。 駅から旧市街地へと入ると古い建物が連なりますが、雰囲気はすでにオランダ風やベルギー風の建物も見られます。 これらの建物の地上階はポルティコになっていて、これはボローニャが有名なのでイタリアの影響も受けているのかも知れません。 暫く歩いていると古くてファサードが素敵な建物が現れました。 そこはミュージアムになっていますが、かつては市役所だったそうです。 前の通りには350周年記念を現したマンホールの蓋がありました。 「何じゃろか?」と建物に引き返し、よく読んでみるとなんとここは1648年に締結された「ヴェストファーレン条約」が結ばれた場所でした。 と言っても「ヴェストファーレン条約」なるものが何なのか良く分かっていないかったのですが、 後から調べた処、何でも30年戦争の終結の為の条約がここで結ばれたそうです。 これは国際的な条約の取り決めとしては、歴史上最初だったそうです。 400年近くも前に、こんな田舎町までオランダやスペインから使者がやってきたのですね・・・ ここを後にし、高い鐘楼を持つ教会へと近づきました。 この鐘楼には3ツの檻が吊るされています。 何でも16世紀のころ反逆者を虐殺し、その後見せしめの為、この檻にいれておいたそうです。 まぁ何とも野蛮な時代だったことでしょうか・・・ 中心地を抜けお城の方に向かって歩いていると、ちょっとした広場にカフェテラスがありますが、 その真ん中に何だか荷物を背負った「銅像」が建っていました。 パット見、何だか「二宮金次郎」の像にソックリなので近づいて眺めていました。 後から調べたらこれは「Kiepenkerl」と言う銅像で「背負い籠の男」と訳されていました。 これは昔、この街にいた行商人たちの典型的な出で立ちだそうで、ちょっと有名だったそうです。 遠くにお城らしき建物が見えてきました。 お城の前の大きな広場を進み辿りつきましたが、現在は大学になっているので中には入ることが出来ません。 左脇の鉄扉は開いているので、そこからは裏庭へ出られそうです。 かつてのお城の庭も今は大学に属する植物園となっていますが、その大きさに驚かされます。 熱帯であったり高山であったりその環境に分けて植樹されています。 フト脇を見るとガードレールや線路の一部も・・・ これはその辺りに生える植物が植えたれていました。 中央に柳が立つ池の周りを奥に進むと野生の野原に生える植物や、 シダで覆われた小道など、ちょっとジュラシック・パークを連想させます。 とても見応えも歩き応えもある庭園を満喫し、おなかも空いてきました。 何処かレストランを求めて心地よい並木道を湖の方へ進みました。 湖脇には大きなレストランが2件も連なっていますが、遅い時間帯にも関わらず結構込み合っています。 諦めてグルッと対岸側へ周りました。 そこも湖脇にちょっと良さげなドイツ・レストランがありました。 しかも私の好きなビール「KönigPilsener」の看板も目に止まりました。 こりゃ行かない手は無いと、迷わず入店。 早々におビール・・・当然大きい方を・・・ 結構お腹も空いていたのでガッツリとシュニッツェルのキノコ・ソース添えを頼みました。 久しぶりに飲む“生”のなんて美味しいことか・・・ 大判のシュニッツェルもカラッと揚がっているし、キノコ・ソースもクリーミーで上品な味付け・・・ ここは結構当りだったかも・・・ ほろ酔い気分で帰りの電車ではウトウト・・・ さあ次は何処へ行こうかな・・・ #
by Atelier-Onuki
| 2021-07-21 21:18
| ドイツ
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クライバーを聴きたいと云う思いは募るばかりでしたが、 1989年のニューイヤー・コンサートに登場すると、音楽雑誌で大きく報じていました。 コリャ行かなければ・・・とは云え普段でもチケットの入手は至難の技、 ましてやクライバーとなれば異常な争奪戦になることが予想できました。 何冊もの音楽雑誌などで、音楽ツアーに強そうなあちこちの旅行代理店を見つけては片端から電話をかけて問い合わせました。 中には簡単に「アイヨッ、ありますあります!」って感じで受け答えする代理店があって、 こりゃ良かった直ぐに予約をしようとよくよく訊いてみると、な何とウィーン近郊のバーデンでの全く別物のニューイヤー・コンサート・・・ ようやく信用できそうな代理店がミュンヘンにある事が分かりました。 それにチケットはホテルに届けるとの事、多分彼らもウィーンの誰かに頼むのでしょう。 (当時は演奏会の10日前に売り出され、前夜は1晩中何度かの点呼を受けながら並んで1人2枚まで買うことが出来ました。) 実際、ホテルでチケットを手にするまでは本当にちゃんと来ているのかヤキモキしていました。 1月1日とうとう、その日がやってきました。 会場のムジーク・フェラインは花々で飾られ華やかな雰囲気ですが、更に何か異様な緊張感が漂っています。 いよいよオーケストラが登場しチューニングをし終え着席しました。 この落ち着いた辺りで指揮者が登場するのですが、中々出てきません。 彼は急なキャンセルも何度か犯してしているので「大丈夫かなぁ」と心配になってきました。 5分も待ったでしょうか、ちょっと緊張ぎみにやっと登場してきました。 始まる前から聴衆もオーケストラも緊迫しています。 やっと最初の「加速度ワルツ」が奏でられました。 これこれ、陽光が差し込むなかのワルツ・・・なんと心地よい事でしょうか・・・ それでも若干硬い演奏で未々調子が出ないのでしょうか・・・ 2曲目は「田園ポルカ」まぁポルカですから陽気な音楽で、しかも途中からオーケストラの人たちが歌うシーンがあります。 これですっかり肩の力が抜けたのか次の「トンボ」などは軽快ながらハッとする綺麗な瞬間が・・・ そして「こうもり」序曲、もう颯爽とした演奏で、音楽が生きいきしています。 そして最後の追い込み部分など、これ以上早く弾けないほどの猛スピードで閉じられました。 追記 クライバーはその後、1992年のニューイヤー・コンサートにも登場し、 更に素晴らしいワルツや軽快なポルカの演奏を繰り広げました。 そこで、沸々と疑問が湧いてきます。 確か彼はお父さんエーリッヒが指示用の書き込みを入れた楽譜しか取り上げなかったはずで、こんなにも沢山のレパートリーがあったのかという事です。 調べてみると、何とエーリッヒはウィーン生まれ・・・そりゃワルツやポルカも得意にしていたはずです。 事実、何曲か聴いた事がありましたが、何れもウィーン流のツボを得た素晴らしい演奏をしていました。 カルロスにも根底にウィーンの血が流れていたのですね。・・・納得 #
by Atelier-Onuki
| 2021-06-21 19:49
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ある日仕事から帰って来ると、大音量でヴェルディの「椿姫」が掛かっています。 それは暫く前に発売されたクライバーのレコードでヴェルディのオペラにしてはエラク緊張感が漂う、引き締まった演奏でした。 数ヶ月前に「オテロ」を観た家内はすっかりクライバーの虜になっていました。 「良いな~、俺もクライバーが聴きたいなぁ~」と羨ましく思っていました。 その後、ヨーロッパで住むようになり、ここだと聴く機会もあるだろうと音楽雑誌に出ている 演奏会予定を繁々と眺めていたのですが、中々クライバーの演奏会がありません。 当時はインターネットなど無い時代でしたが、ヨーロッパ中の演奏会予定が網羅されている ”KonzertAlmanach”という分厚い年鑑を購入し、早々に指揮者の項目で探しましたが、 何処にもクライバーと言う名前が出てきませんでした。 その頃からクライバーはちょっと精神的に問題があるので中々指揮をしないのだと噂されだしました。・・・ 事実、彼はお父さんエーリッヒが指示の書き込みを入れた楽譜しか使用せず、それもパート譜にまで拘っていたそうです。 その為、レパートリーがもの凄く狭く、曲目を全部思い起こす事ができるほどの少なさです。 練習時間も通常の倍くらい要求し、入念に準備されていました。 リハーサルに立ち会った人の話によると、彼はよくブツブツと独り言を呟くそうです。 「あぁエーリッヒだったら、如何しただろうなぁ~こうしただろうかなぁ・・・」と そんなクライバーですが、一旦本番の指揮台に立つと別人のように、颯爽とした指揮姿で振り始めます。 音楽はスピードに乗り緊張感が全編に漂っていますが、変幻自在の動きにはしなやかさや叙情性も加わり、 聴衆のみならずオーケストラの奏者たちもグイグイとその魅了に引き込んでしまいます。 そんな折のある夜、広告塔の前を通ったらC a l r o s ・・・と目に入って来ました。 最初はラテン・バンドかなんかのポスターかと思いきや、何とKleiberと続いているではありませんか・・・ 確かこのシーズンは予定されていなかったはずなのに・・・ それもそのはず、その日はちゃんと予定されていた別の演奏会が入っています。 急遽、決まったらしく何と開演は夜11時からです。 家に帰って早々に家内に報せた処、「へぇ、ありがとう!」と言っています。 この頃は子供が小さくどちらかが子守をしなければなりませんでした。 あ~ぁ又クライバーを取られてしまいました。 その後、数ヶ月の間にメータとイスラエル・フィルがそして何とムーティとウィーン・フィルで同じブラームスの2番を聴く機会がありました。 どちらも素晴らしい演奏で、特にムーティは歌に溢れた名演でしたが、 家内は「まぁクライバーに比べたら・・・」とフンとしていました。 まぁ切り札を出されては応酬の仕様がありませんでした。 #
by Atelier-Onuki
| 2021-05-26 00:09
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