オランダへの小旅行

先日来よりオランダのアーネムやフェンロへ行く機会があったのですが、
かねてより噂に聞いていたIQOS用のHEETSでメンソールが販売されていました。

これは何故かドイツでは販売されていませんが、
試してみると程よい強さのメンソールで気分転換にはちょうど・・・
時折これを吸っていました。

そんな事もあって今回は、このメンソールを買いにオランダへ行く事にしました。

それだけではつまらないので、今回はフェルメールとゴッホをコンビネーションさせるという
全く次元の違うテーマで不謹慎な考えを巡らせていました。

まずはフェルメールを観るためデン・ハーグのマウリッツハイス美術館に向かいました。
ここは大昔に訪れたことがあったのですが、小さな美術館の印象でした。
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何年か前に大きなフェルメール展があった時に改装したのでしょうか、
周辺はモダンな感じに様変わりし、入り口も地下に新しく設けられていました。
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結構大勢の人たちが訪れていましたが、改装されたお陰で中々スムーズに入ることができました。

先ずは荷物をロッカーへと向かいましたが、木製の壁は曲面でそこにデコボコのスリットが入っていて、
大小様々な大きさのロッカーが、まるでレリーフの様に設置されています。

オランダ人って時々独特の素敵なセンスを持っていて、ここでもフムフムと感心をしながら眺めていました。
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入り口が地下になったので結構な階段を上がり展示場へと進みました。

ここの目玉は何といってもフェルメールの「真珠の耳飾の少女」が有名で、
映画にもなったせいか以前よりも大勢の人たちが訪れてきています。
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勿論これも見たかったのですが私の興味は「デルフト眺望」をもう一度じっくり観賞したいと思っていました。

レンブラントを初めオランダ絵画の名作の数々見ながら歩を進めました。

途中、風景画の部屋では似かよった風景画が並んでいますが、
一際「オッこりゃ良い絵だなぁ!」と思い近づくとそれはホッベマの作で「農家のある風景」でした。

同じような絵ですがやはり力のある絵描きの作品は別格です。
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やっと一番上の階にたどり着き、お目当てのフェルメールとの対面です。

正面の真ん中に飾られた「真珠の耳飾の少女」には大勢の人たちが見入っています。
その前には木製で半円形の手摺がガードしています。
たしか以前にはこんな手摺は設置されていませんでした。
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反対側の壁にお目当ての「デルフト眺望」が掛けられています。
横幅が120cmほどでしょうか以前に見たときよりも大きく感じました。
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大きくとられた空の下には教会を背景に運河沿いのデルフトの町並みが描かれています。
丁寧に描きこまれた建物や船と共に、民族衣装を着た人たちが点在していて、その当時の生活感も伝わってきます。
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じっくりと端から端まで見回し、タップリと観賞しました。

さぁこの描かれた場所を探しにデルフトへと向かう事にしました。




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# by Atelier-Onuki | 2018-06-12 00:45 | オランダ | Trackback | Comments(0)

ラトル ベルリン・フィル ケルンの演奏会から

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昨夜はケルンでラトル指揮ベルリン・フィルの演奏会がありました。

今、最高の状態にあるにも関わらず、彼は今シーズンで音楽監督を辞任しますから、
聴ける機会があればなるべく行くようにしています。

演目はWidmannと云う作曲家のダンス曲で、どうもベルリン・フィルから委託されたものらしいが、
ポップス風でさっぱり良さが分からなかった曲と、
これまたLutoslawskiという作曲家でベートーヴェンを意識して作曲されたらしい交響曲の3番でした。

ババババンと鳴る最初のテーマが、ベートーヴェンの運命の頭、
ジャジャジャジャ~ンの4つのモチーフからきているそうですがサッパリ分かりませんでした。

処で、この曲の後半に入ってポディウム(ステージ後ろの席)でザワザワとした動きが・・・
どうもこの辺に座っていた女性に異変が起こったようです。
周りにいた人たちやホールの係員によって抱かれながら退場していきました。

私の座っていた近くからも2・3人の紳士がサッと向かって行きました。
恐らくお医者さんなのでしょうか・・・
この辺はさすがドイツ、未々正義感や使命感はしっかり残っています。

さあ気を取り直して、後半はお目当てのブラームスの交響曲1番です。

ティンパニーの連打を伴って弦群が緊張感を保ちながら堂々と弾き始められました。

ラトル氏はよく何か新しいことに挑戦するところがあって、キビキビとした若干早めのテンポで活気があるのですが、
ここではむしろ落し気味のテンポでゆったりと鳴らしています。

この辺はブラームスという事で、さすが重厚な印象を与えようとしているようです。

途中、弦や木管が絡み合い、複雑なテンポで構成されている所でも、
アンサンブルは流麗な動きで見事にハモっています。
いやぁ~さすがベルリン・フィルと思わず唸ってしまいそうです。

柔らかな響きで2楽章が静かに始まりました。
その甘いメロディにウットリとして聴き入っています。

後半に入り、いよいよヴァイオリンのソロが弾きはじめられました。
今日のコンマスはシュタブラーヴァさんです。
ソロの響きは浮き上がってきますが、その柔らかくて清涼な弾きぶりは決してデシャバラない上品なバランスです。
木管とのやり取りも甘く夢見心地で、もうウットリとして聴き入るしかありませんでした。

フィナーレに差し掛かりヴァイオリンのソロがス~と浮き上がって来ますが、
どこまでも滑らかに引っ張られた響きは静かに消え入るように終りました。

3楽章では軽やかなメロディ・ラインに乗って木管群が煌びやかにくり広げられます。

クラリネットからフルートに、そしてオーボエと受け継がれながら展開して行きますが、
この楽器間の受け渡しが実にスムース、何時何処で吹きだしたのか分からないほど滑らかです。
それでいてソロで吹いている木管はフワッと浮き立ち、周りの楽器たちが絶妙に絡み合っています。

あっという間の3楽章が終わり、間髪を入れずに4楽章へと引き継がれました。

低音域の弦がグ~ンと盛り上がったところにティンパニーの一撃・・・

にわかに緊張感が高まって、複雑なメロディーが交差し今度はティンパニーの連打で、
一瞬の静寂が訪れると、弦群のトレモロに乗ってホルンのソロが朗々と響きます。

ウ~ン、上手い!!! 惚れ惚れするような甘くロマンティックな旋律です。

ここでも一旦ピッチカートで見切りをつけると、いよいよメイン・テーマのメロディーが弦群によって浪々と弾かれますが、
まるで柔らかなビロードの絨毯の上を転がっているような心地よさで、自然と体が音楽にあわせて揺れているようです。

曲は盛り上がりブラームス特有の複雑なメロディーが折り重なり、クライマックスを迎えました。

フィナーレはスピード感に溢れていますが、アンサンブルは一糸乱れず、
音量も絶妙のバランスが保たれ、フォルテシモでもあくまでも柔らかく心地よい響きです。

ジャン・ジャン・ジャン・ジャ~ン、と格好よく閉じられました。

いや~久々に良いブラームスを聴かせてもらいました。

今月末にはいよいよベルリンで彼のグッドバイ・コンサートが予定されています。

その直後には最後の演奏会があってマーラーの6番で幕を閉じるようです。
因みに、アバドの最後もマーラーで、その時は7番でした。

さて、終演後はいつも通り駅裏の屋台へ直行、今宵のビールは格段に美味しく感じました。



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# by Atelier-Onuki | 2018-06-10 00:04 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

「バーデン・バーデンのブラームス」 (ドイツ・ニュース・ダイジェスト5月のコラムより)

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バーデン・バーデンはドイツ随一の温泉保養地として知られていますが、
私の興味はブラームスの家を訪れることでした。

このころの彼は30代、既に高名な作曲家としてウィーンに住んでいたのですが、
クララ・シューマンが滞在していた10年間に渡り毎年5月から10月ころまで彼女に会うためにやって来たようです。

クララのピアニストとして腕前はシューマンと結婚をする前から有名で、
彼の没後は演奏家として7人の子供たちを育てていましたが、
ブラームスは精神的にも経済的にもシューマン家を援助していまいた。

さて、ブラームス・ハウスがある郊外のリヒテンタールを目指しました。

バス停は”ブラームス・プラッツ”と明確です。
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この家はちょっと小高い所に建っていますが、
かつて写真で見たことがある白い家が表れた時にはちょっとした興奮を覚えました。
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かの高名なドイツのピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプさんがここを訪れた際には
「ここでひざまずいてから、上にあがるべきだろう!!」と仰ったそうです。
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この家は一時、解体の危機にありましたが、
世界中のブラームス・ファンが募金を募り保存することができました。

ここでは彼の重要な作品の数々が生み出されています。

主な作品では「ドイチェス・レクイエム」、
それに20年以上も悩みに悩みながら作曲をし続けた大作「交響曲1番」の仕上げ、
そしてペルチャッハで作曲をしていた「交響曲2番」の仕上げもここだそうです。
(いやぁ~余りの名曲の数々に感慨深いものが込み上げてきます。)
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それに「ブラームスの子守唄」として有名な曲「Lullaby」もクララの誕生日に演奏をしたそうです。
(作曲家はこんな技が使えて羨ましい・・・)
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キッチンがあった部屋には古い写真や楽譜などが展示されています。

ショーケースには小物と共にブラームスのデスマスクとクララの石膏手形などが展示されていました。
クララの手形は大きくて逞しく、さすがピアニストだけあって堂々とした立派な手でした。

賑やかに説明をしてくれていた管理人さんによると途中あった修道院の先には
クララが住んでいた家もあるそうで、ここも訪れてみることにしました。




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# by Atelier-Onuki | 2018-05-29 22:54 | コラム | Trackback | Comments(0)

ぺルチャッハのブラームス (ドイツ・ニュース・ダイジェスト 4月のコラムから)

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構想から20年余りの歳月を経て、苦しみの内にやっと完成にこぎつけたブラームスの第一交響曲も初演を終え、
その重荷から開放された彼はヴァルター湖畔のペルチャッハへ作曲を兼ねた避暑に訪れます。
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ここでは構築的で重厚な1番の交響曲とは、打って変わって明るく伸びやかな2番の交響曲を生み出します。

それも彼としては珍しく3ヶ月ちょっとと云う短い期間で一気に完成させています。

その穏やかな曲想からブラームスの「田園交響曲」と呼ぶ人もいるほどです。

ブラームスが最初に宿泊したのは「シュロス・レオンシュタイン」と言う600年前のお城を改装した旅籠でしたが、
2年目の夏から筋向いにある、古びた「ラバッツ」と言うペンションに引っ越しています。
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それは最初に訪れた時に、長逗留をしていた芸術愛好家で世話好きの、
とある男爵夫妻が食事や船旅など頻繁に誘ったそうです。

人付き合いが余り得意でない彼は作曲に専念したかったので、
翌年からはこの寂しいペンションを7部屋も借りて静かに作曲をしたそうです。

その甲斐あって、ここでは「ヴァイオリン協奏曲」や「ヴァイオリン・ソナタの1番」
それに「ハンガリー舞曲」という名作の数々を生み出しました。

唯、このペンションは本当に朽ちかけていて、
壁に落書きのように「この家にブラームスは滞在しました。」と書かれていなかったら
唯の廃墟にしか見えず、ここで生れた名作の数々を思うと悲しい気持ちになります。
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「裏山には城跡があって、そこからの眺めが良いよ。」とホテルの人が言うので登ってみることにしました。

頂上には東屋が建っていてここからの眺めは遠くアルプスが見渡せ絶景です。
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東屋には大きな木製の安楽椅子が設置されていて、ここでゴロンと寝転べるようになっています。
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枕元を見るとボタンが3ツ付いていて、上から「ハンガリー舞曲6番」、
「子守唄」、そして「ヴァイオリン協奏曲」から2楽章と書かれています。

上から押してみると元気良くハンガリー舞曲が鳴り出しました。
続いて「眠れ~眠れ・・・」で始まる例の「ブラームスの子守唄」、
ヴァイオリン協奏曲のアダージョではその心地よさに本当に眠ってしまいそうでした。



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# by Atelier-Onuki | 2018-04-23 19:56 | コラム | Trackback | Comments(0)

「トゥッツィングのブラームス」 (ドイツ・ニュース・ダイジェスト3月のコラムより)

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ブラームスは大好きな作曲家なので、特に4曲ある交響曲は高校生のころから親しんで聴いていました。

その内3番は比較的短い曲なので、
レコードの余白にはオマケ的な扱いで「ハイドンの主題による変奏曲」がよくカップリングされていました。
ところがすっかり気に入って、途中から入っているにも関わらずこの曲の所を選んでよく聴いたものでした。
(勿論3番も大好きな曲ですよ。)

その後、何十年も経ってミュンヘンに住んでいたときに演奏会で貰ったプログラムを
パラパラ眺めていると、素敵な風景画が目に留まりました。

それはComptonと言う画家が描いた水彩画でしたが、
Tutzing(トゥッツィング)と云うシュタルンベルガー湖畔の町で、何とここでこの曲を作曲していたのです。
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Sバーンで行ける距離ですし行かない手はありません。

少ない情報を頼りにブラームスが滞在したペンションが建つHauptstrasseを目指しました。

湖畔にでると「ブラームス・プロムナード」と書かれた小さなプレートも掛かっていて、
何だかウキウキとした気分になってきます。
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グリーンベルトの中央辺りにある大きな柳の下にはブラームスの碑が建っています。
これは彼の生誕100周年を記念して建てられたそうですが、
碑には「ヨハネス・ブラームス、作曲家、Tutzing、三作品」と書かれているだけでサッパリとしたものでした。
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どういう経緯でここに来たのか分かりませんが、偶々Heyseさんと云う人が最初に連れて来たそうで、
すっかり気に入った彼は再びここを訪れ、5月から8月まで何と4ヶ月もの間滞在したそうです。
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湖に突き出た桟橋にヨッコラショと座り込み、
遠く連なるアルプスを眺めながらおもむろにI-phoneを取り出しました。
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低弦のピッチカートに乗ってオーボエが穏やかな主題を奏でだしました。

そりゃこんな風景に囲まれていたら、穏やかな気分で作曲が進められるでしょうね。

曲は進みホルンが軽快な旋律を高らかに鳴らし私の大好きな箇所に差し掛かりました。
きっとこれは目の前の堂々と連なるアルプスを表現したのかなぁ~

クライマックスに入り待ってましたとばかりにトライアングルを伴って盛り上がりを見せたあと、
名残を惜しむようにフィナーレを閉じました。

イヤァ~この上ない至福の20分間でした。




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# by Atelier-Onuki | 2018-03-19 19:09 | コラム | Trackback | Comments(0)