日本滞在 1. (灘にて)

新年の2日に出発し3週間の日本滞在を追え先日帰ってきました。

今回は先ず兵庫県の灘にある「原田の森ギャラリー」で展覧会と
「印象派を旅する」と題した講演会を開催しました。

会場は昨年改装されたそうで、まだ真新しい感じがします。
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これはムサビ卒業生の兵庫支部が2年毎に開催している展覧会で、
今年が50周年という事もあって招待されました。

ここ数年、甲子園口のギャラリーで2度ほど展覧会を開催したので、
私はすっかり西宮出身の画家?という認識をされているようです。

ガランとだだっ広い会場に展示品のボリュームと言うか大きさが足りず
ちょっと閑散とした感じを受けました。
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処で、このギャラリーの道路を挟んだ向かいにはレンガ造りの古い教会が建っています。
古い建物でここだけを切り取ったらまるでヨーロッパにいるような錯覚に陥ります。
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気になっていたので時間が出来た隙に覗いて見ることにしました。
正面入り口には「関西学園発祥に地」とあり現在は「神戸文学館」という名称になっていました。
中に入ると元々の礼拝堂を利用して神戸縁の文学者の展示がされていました。

正岡子規を初め谷崎潤一郎などに関する展示され、
その一角は読書が出来る静かなスペースも整っていました。

さて、講演会は40名足らずの参加で会場の一角にプロジェクターを使って行いました。

話す側からすると先ず、熱心に聞いてくれていそうな人や
ウンウンと肯いて共感してくれている人を数人早めに見つけて
なるべくそちらに視線を向けながら話すのがやり易いものです。
この日もアチコチと目を向けたのですが、一番前ド真ん中に陣取った紳士は途中から居眠りをしているし、
応援してくれているはずの身内に目を移すと、こちらは大あくびの真っ最中と暫し焦っていました。

それでも右端に座っていたご夫婦らしき二人は、
反応良く肯いてくれていたので視線は自ずから右よりで進行しました。

時折、時差ぼけの睡魔に襲われながらも何とか好評のうち話し終えることができました。
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終了後は場所を移してパーティがあるとかで、促されるまま付いていきました。

三ノ宮まで移動し、とある洋館建ての館へと誘われました。
それにしても雰囲気のある立派な建物です。
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ここは人気のフレンチだそうですが、こちらは立食かと勝手に思い込んでいたので拍子が抜けました。

まぁ日本のフレンチは手が込んでいるし、お味も日本人に合わせた上品なフルコースでした。
特にパンは注文をきいてから焼くそうで、ほんのりと暖かく柔らかい食感は中々のものでした。
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とっぷりと暮れた夜道をほろ酔い気分でボッーとしながら帰途に着きました。







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# by Atelier-Onuki | 2018-01-26 01:41 | 日本 | Trackback | Comments(0)

「パリのモンマルトル墓地」 (ドイツ・ニュース・ダイジェスト12月のコラムより)

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パリでは、モンマルトルの麓に位置するアベス界隈がゴジャゴジャとした下町の生活感が溢れていて好きです。
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この界隈は画家たち縁の地も多いですし、アベス通りを西の方へ下るとモンマルトル墓地が現れます。

初めてこの墓地へ行った時はブラッと立ち寄っただけで、何の予備知識もないまま訪れたのですが、
います、います、数多の著名人たちのお墓が目白押しに出現しました。

この日は寒く、夜にはオペラへも行く予定があったので、後ろ髪を引かれながらも、ここを後にしました。

それから数年後、今度はしっかり調べてから出向きました。
クリシー広場から通りをダラダラ登り、コーランクール通りに入った辺りの階段を降りると墓地のメイン入り口に出ます。

この墓地はかつての石切り場跡に作られたそうで、なるほど地面からは随分下がった所に位置しています。

入り口の番屋には地図がぶら下っていて借りる事ができ、
この裏側には著名人の名前がアルファベット順に載っているので心強い味方です。

広い墓地は木々も多く静かで都会の真ん中とは思えないほどです。
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ここにはスタンダールを初めゾラやハイネなどの文学者や作曲家ではベルリオーズにオッフェンバッハ、
それにドリーブ、画家ではドガ、ダンサーではニジンスキーと枚挙に暇がありません。

ただ、この日の目的はオペラ「椿姫」でヒロインになったヴィオレッタのお墓を訪ねることでした。

陸橋を潜ると左手にあっけないほど簡単に見つける事が出来ました。

屋根の付いたシンプルな墓石には彼女の本名で“Alphonsine Plessis”アルフォンシー・プレシと刻まれています。 
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正面には肖像画もはめ込まれていて、真っ赤な口紅の跡が幾つも残されていました。 
彼女が生きた時代から150年以上も経過しているにも関わらず、今でも彼女を慕う女性たちが多くいることが伺われます。
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彼女の名前はややこしく小説では“マルグリット・ゴーチェ”として登場し、
オペラでは“椿姫”というタイトルにも関わらず“ヴィオレッタ”(スミレちゃん)と名付けられ、
もう一つの “マリー・デュプレシ”という名はいわゆる源氏名で、
その知性と気品の漂う美麗さで当時は有名な人だったそうです。

彼女との実際の出来事を元に小説化したアレクサンドル・デュマ・フィスも近くに眠っています。




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# by Atelier-Onuki | 2017-12-19 01:52 | コラム | Trackback | Comments(0)

展覧会と講演会のお知らせ


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来年1月に開催されます2箇所での展覧会のご案内を致します。
また、講演会も各々で予定されていますので併せてお知らせ致します。

ここ数年2回ほど甲子園口のギャラリーで展覧会を開催ましたが、
それ以来すっかり西宮出身の画家なんて事になってしまったようで、
今回はまず兵庫支部の校友会から誘われました。 

この展覧会は2年毎に開催されているそうで、今回が50周年という事もあり招待されました。

会場は灘の「原田の森ギャラリー」で1月4日(木)から8日(月)までです。

講演会は7日(日)16:00時からで「印象派の旅」と題して、
印象派の誕生、そして彼らの足跡を辿ってアチコチへと行くお話しです。

入場は何方でもフリーだそうです。

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一方、甲子園口のギャラリー「アートスペース萌芽」では1月11日(木)から20日(土)まで、
「水彩画からのぞくヨーロッパの風景」と相も変わらないテーマで展示しています。
絵は一部「原田の森ギャラリー」の出展品と重複しますが、こちらの方が若干多く展示します。

こちらでの講演会は「オペラへの誘い」と題して、
オペラの誕生からエポックになった作曲家にスポットをあてながら近代作品までお話をする予定ですが、
新進気鋭の歌手、大賀真理子さんと、輝かしい実績のピアニスト金沢彩子さんの伴奏で
アリアの数々を披露して頂きながら進めて行きます。

こちらは予約が必要で2000円の入場料が掛かります。
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処で、私の予定は「原田の森ギャラリー」へは7日(日)、
「アートスペース萌芽」へは13日(土)と14日(日)、何れも14時ころから詰める予定です。

それでは、皆様 機会がありましたら是非ご来場下さませ。


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# by Atelier-Onuki | 2017-12-13 00:43 | 絵画 | Trackback | Comments(0)

マーラーのお墓 “ウィーン、グリンツィング墓地“ (ドイツ・ニュース・ダイジェスト11月のコラムより)

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ウィーンを追われるように辞職させられた彼は新しい活路を求めていましたが
ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の招きで1907年の暮れに渡米しました。

2年後にはニューヨーク・フィルの常任指揮者も兼任することになり
ヨーロッパとは行ったり来たりの生活でした。

それにしても当時は船旅ですから体力的にも相当厳しいことだったでしょうね。

トブラッハで9番目の交響曲を作曲していた頃の彼は体力的にも精神的にも
相当弱っていたはずです。

そんな折、元来疾患があった心臓病が悪化し、
ニューヨークからウィーンへ戻って来ますが、3ヵ月後に亡くなってしまいます。

息を引き取る直前に「モーツァルト」と2度言ったそうです。

お墓はウィーンの北西グリンツィング墓地に5歳で亡くなった長女マリア・アンナと一緒に
ウィーンの街を一望できる高台に眠っています。
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ユダヤ教の神殿門を連想させるような形の墓石はシンプルながら堅固な印象です。

墓石上部に「GUSTAV MAHLER」としか刻まれていませんが、
これは生前「私の墓を訪ねてくれる人なら、私が何物だったか知っているはずだし、
そうでない連中にそれを知ってもらう必要はない。」と明言していたそうで、
いかにもマーラーらしい発言です。
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墓石には沢山の石が乗っていますが、
これは、かつて大戦中に多くのユダヤ人を救ったシンドラーの墓に誰かが置き始めたのが最初だそうで、
ユダヤ教では永遠性や不滅の意味が込められているそうです。
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さて、妻だったアルマ・マーラーもこの墓地に眠っているのですが、
このお墓は、まず三角形の石版が目立っていてそこには「MANON GROPIUS」と刻まれています。
それはグロピウスとの間に生れた娘マノンで、聡明な美少女だったそうですが19歳で急死しています。
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若い頃、子供と引き離された過去があるアルバン・ベルクは
友人だったアルマの子を我が子と重ねるように可愛がっていたそうで、
すぐさま作曲したヴァイオリン協奏曲は「ある天使の追想に」と題され思いを込めています。
唯、この曲は彼自らへのレクイエムともなってしまいました。

アルマの名前は背景のように建てられた青銅版に示されていますが、
そこには「ALMA MAHLER WERFEL」と刻まれています。
Werfelは最後の夫でマーラーとは死別なのでダブル・ネームなのでしょうか。・・・
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マーラーのお墓から通路を挟んで4つほどずれた裏側に面していて、
二人の微妙な関係を象徴しているようです。


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# by Atelier-Onuki | 2017-11-26 22:35 | コラム | Trackback | Comments(0)

「ゴーリングでの催し」

先週末からザルツブルクの南60kmほどの所にある Golling という小さな町へ行っていました。
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町といってもチロルの山々に囲まれた小さな盆地、家並みは200mほどで抜けてしまい、周りは牧草地が広がっています。
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何でそんな所へ行ったかというと、とある日本の会社が現地の会社と合併して10周年を迎えて、
その式典が現地の会社があるこのGollingのホテルで開催されました。

ホテルはこんな田舎ですがそこそこの格式があるそうで、
ここのオーナーでコック長の人はオーストリアの料理コンクールで優勝をしたそうです。

何でもドイツのメルケル首相も食されたそうで、ここの城で開催される催しの際には
高名な演出家オットー・シェンクもこのホテルに泊まるそうです。

前回来たときに、このレストランで夕食を取りましたが、
お洒落に手の込んだ料理でしたが、説明をされたほどのインパクトは感じませんでした。

さて、今回はその式典の準備、進行のサポートという形で依頼され、
ステージ制作や映像、それに鏡開きなどの手助けをしました。

2日ほど前には雪がチラつき山の方はすっかり雪化粧、
お天気が心配だったのですが、この日は回復ぎみでホッとしました。

準備も滞りなく整い、後は開場を待つばかりです。

お昼近くになり関係者がパラパラと集まりだしました。
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発足当時、担当された方々は現地のもう定年をされた様な年配の方々と、
懐かしそうに語りあっておられました。
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いよいよ式典は挨拶に始まり鏡開きと進み、段々と盛り上がりを見せました。
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会食の後は記念撮影、そして歓談の時と問題もなく進行し夕刻には無事終了しました。

この催しは会場を移して夜の部もあったのですが、
こちらは社員の懇親会という形なので少し気が楽です。

お昼を食べ損ねたので、急いで腹ごしらえ、・・・ 近くのピザ屋へ飛び込みました。

ガードを潜り町外れの寂しいピザ屋ですが、田舎なのでこんな所しか開いていません。
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中途半端な時間なので出てきた店のオバちゃんもカッたるそうです。

座席に座ろうとしたら、何故分かったのでしょうか「スモーカー?」と訪ねられ、
間髪を入れずに「そうそう・・・」、奥の別室に案内されました。

暗くて狭い廊下の様な部屋で、
窓越しに外からはガリガリと何だか窓枠の目地止め工事をしているようです。
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寂しい気持ちでしたが、注文をした“Penne”はチーズを乗せオーブンで焼いていて、まるでラザーニャのようです。
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フーフー吹きながら熱々のPenneを一口運びました。
「オォ 意外と美味しい・・・」
この疲れた体がゆっくりと癒されて行くようです。

さあ、もう一頑張り、今夜は何時まで宴が続くのだろう。・・・
夜の部は無礼講なので飲んでも良いのかなぁ~
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# by Atelier-Onuki | 2017-10-31 01:32 | オーストリア | Trackback | Comments(0)