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サイモン ラトル の演奏会 

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先日の晩、出張から帰って来てとても疲れていたのですが、この夜ラトルの演奏会がある事にフト気が付き、ムチを打ちつつ出かけました。
(聴くだけの立場ですが体力も精神も使い果たします)
作シーズンに続いて彼がここのバイエルン放送交響楽団に登場するのは二回目の事で、
来シーズンからも引き続き来てくれると嬉しいなぁと思っています。

一部、彼の演奏に関してあれこれと批判している音楽ファンの方々もおられる様ですが、
多分それには大いに誤解も混じっているように思えて残念です。

私は彼が20歳代の頃、未だロッテルダム・フィルなどに客演していた頃から聴いてきましたが、
最初の出会いはアムステルダムのコンセルトヘボウでアーノンクールを聴きに行ったついででした。

曲はブルックナーの7番のシンフォニー。
演奏を聴く前はこの年齢の指揮者でブルックナー?? と懐疑的でした。
それまでこの曲はマタチッチを始めベームやヨッフムそれにハーグフィルとのシューリヒトなどの録音で
親しんで来ておりましたので、未だその時は彼の事を良く知らないで、さほど期待もせずに
聴きに行ったのです。

最初の出だしから音がスッーと滑らかに出てきて心地よい響き。
音楽は滞ることなく気持ちの良いテンポで生々と進んで行きます。
二楽章の穏やかで天国的な旋律も情緒たっぷり・・・
あの金管だけでモアモアと鳴って纏まらない所も綺麗にハモっていました。
自分のパートが演奏に参加しない部分でも楽団員の体が音楽に従って動いています。
これは楽団員も気持ちよく音楽に浸っている証拠で、指揮者に対する信頼の証でもあるでしょう。
実に素直で、良い意味での健康的な演奏、とても気持ちよく聴くことができました。

それ以来、彼の演奏会は足繁く、かつ注意深く聴いてきましたが、その名声は徐々に高まって行き遂には
ベルリン・フィルの音楽監督と云う最高のポジションにまで上り詰めました。
唯、彼はその地位に安住することなく絶えず何かに挑戦し続けているように思えます。
彼自身がまだ発展途上と思っているかも知れませんね。

ですから彼の解釈はいつも新鮮でテンポなども生々と弾み、まるでこの曲が昨日作られた様な
初々しさを感じます。
これが多分オールド・ファン辺りに落ち着きがないとか、深みに欠けるとかの評価になっている
のかも知れません。

それに彼はある時期まとまって特定の作曲家を取り上げたりしますが、特に古典物に取り組む際には、
必ずと云って良いほどオリジナル楽器で演奏をしているエイジ・オブ・エンライトメント・オーケストラと
試演をしてから臨んでいるようです。これは例えば数年前に行なったウィーン・フィルとの
ベートーヴェン・チクルスにおいても大いに成果を上げていました。

シューマンそしてブラームスと時代が進行して、なんとこの秋にはフォーレ、ドビュッシー
それにラヴェルまでやって来ました。このイギリスのオリジナルオーケストラで
近代フランス物を・・・とちょっと半信半疑でしたが、9月にケルンで行われた演奏会に
でかけてきました。まぁ昔から彼はフランス物も得意にしていて、何時だったか
バーミンガムのオーケストラとの演奏を聴いた事がありましたが、実に丁寧で気持ちの良い演奏でした。

この日はフォーレの「ペリアスとメリザンド」やドビュッシーの「牧神」それにベルリオーズの「幻想」でしたが、
圧巻はエマールと共演したラヴェルの「左手の為のピアノ協奏曲」でした。

先ず嬉しいのはピアノが1790代のエラール製です。これが鄙びやかで優美な響きがします。
高音などスタンウェイのカキンと云う様なクリスタル感ではなく、円やかにコロンと云う感じ・・・
それでいてちゃんと粒立ちも決して甘くなく典雅に響いていました。
それに一般的なファゴットではなくバッソンが入っていて、これが又、鄙びた音・・・
時折吹き出されるシワガレ声の様な感じでべヒッなんて潰れたように拳を効かせられると、
もうゾクゾクする快感が背筋を走ります。

この辺はさすがにラトルの見識の高さ、ちゃんとフランス独特の古楽器を使っています。
もうフランスのオーケストラですら使われなくなった楽器を用い、もう今では聴けなくなってしまった
本来のフランス風の雰囲気を大いに楽しませてくれました。

さて今回ミュンヘンでの演奏会はハイドンの91番のシンフォニーから始まってシベリウスの
「レオンノタール」、リゲッティの良く分からない「マクベスの謎」と云う謎な曲と
シューマンの四つあるシンフォニーの中から最も地味な2番と盛り沢山でした。

ハイドンはもう定評がある処、生々としながらも端正な表現で彼には自然に合っているのでしょう。
シベリウスは初めて聴く曲でしたが、ちょっと神秘的でオドロオドロした所もあって良い曲でした。
彼はリゲッティも含め一般的には余り良く知れれていないけれど、興味深い曲をプログラムの
関連性やバランスを考慮しつつ積極的に取り上げ紹介する努力も怠っていないようです。

最後のシューマンはこの2日前に亡くなったヘンツェの為に捧げられました。
ちょっと暗くて纏まり難いこの曲を最後まで素晴らしい集中力をもって振り切りました。
楽団員も指揮者に引きずられるように、集中力を持続させ楽しんでいるように思えました。
特に弦楽軍から柔らかくて潤いに満ちた響きを引き出していた辺はさすがで、
こんな心地よい感じは昨シーズンのムーティ以来の出来事でした。

来年ウィーンの芸術週間にはベルリン・フィルを引き連れてマーラーの第二シンフォニーを
予定していますが、これは何としても行こうと目論んでいます。

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# by Atelier-Onuki | 2012-11-08 23:41 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

コートールド美術館のセザンヌ

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アヌシー湖のタロアーへ行って以来、何時かはこのセザンヌの絵を見たいと思っていました。
セザンヌの絵は折に付け今まで結構見てきたつもりでしたが、この絵には出会った事がありませんでしたので、それではと調べてみると、ロンドンのコートールド美術館にある事が判明しました。
私はそれまでこの美術館の存在を知らなかったのですが、素晴らしい収集品が集まっているようで、この度ロンドンへ行く機会があったのを機に訪れてみました。

ここは現在キングス・カレッジに属しサマセット・ハウスという大きな建物の一角に美術館として併設されています。それに素晴らしいのは美術館と云うだけでなく、学科の一部となっていて美術史などの研究だけに留まらず、その保存方法や修復の研究にも役立っているそうです。
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中に入ると瀟洒な館と云う感じで、美術館としては小さいながら落ち着いた雰囲気です。
入ってすぐ右側の部屋には中世からルネッサンスの絵画や工芸品が非常にさり気なく展示されています。
奥の方にある半円型をした素敵な階段を上がったら、これも拍子が抜けるほどあっけなく、そのままにゴッホとゴーギャンの名作が目に飛び込んできます。

それにしてもこの美術館はまるでどこかの家庭で観ているのかと錯覚をするほど無防備で実に身近に飾られています。暖炉や素敵な調度品の上にも飾られていて、その調和は暖かい温もりを感じさせます。しかもガラスが入っていない額縁が結構存在しています。
これは鑑賞者にとってはとてもありがたい事で、画家の筆使いや息遣いが間近に迫ってきてドキドキ、ワクワクしながら観る事ができますが、万が一の事があったら…と思うと、とても心配になってきます。

次のちょっと大きな部屋にはマネの「草上の昼食」やモネの素敵な松の絵「アンチーヴ」、更にドガなどが展示されていて、ついついじっくりと観てしまい全然前へ進めません。それにしてもこの部屋の圧巻はマネが描いた「フォリー・ベルジュールのバー」でしょうか、それはそれは気合が入った力作で私の知る限りマネの最高傑作ではないでしょうか。
そしていよいよ一番奥の部屋、右角にもうこの部屋からチラチラとお目当ての絵が見えています。
はやる気持ちと後ろ髪を引かれる葛藤の中、意を決して歩を進めました。
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これです、それはセザンヌだけが6点ほど飾られた一部屋の、窓際の壁に静かに粛々と佇んでいました。
横幅80センチ位のそれ程大きな絵ではありませんが、堂々としていてズシッとした絵です。
やたらダイナミックに描かれた左側の大木を通してほぼ中央の浮島のように見える所にお城が描かれています。
これは前の文章でも書いたように実際よりも、ずっと近くに引き寄せられしっかりとした存在感を与えています。この辺もやはりこの画家の人並み外れた洞察力が伝わってきます。
画面上部のはみ出した所から始まり、斜め右へと力強く流れて行く木の枝葉は、同じリズム感で遠景の山肌へと受け継がれ、最後は左下の岸部で受け止められています。逆に湖面には写し出された山肌が正反対の方向にやや控えめながら描かれバランスを保っています。そして中央には湖に映るお城が強調して描かれよりその存在感を高めています。

全体にブルーと緑をふんだんに使用し寒色系の静かで落ち着きのある絵ですが、手前の木の幹からお城そして一番遠景の山肌の一部には暖色系の淡い色が程よく配色されてこの絵に暖か味を添えています。
その光の指す方向から多分朝日が差し込んでいるのでしょうね。
実際には白い壁のはずのお城や周りの建物にも、淡いコーラルレッドと赤でアクセントを付けるなんて・・・フ~ムとしばし感心の瞬間です。

私は風景画ではコローを始め、次に来る印象派の人達の数々が大好きなのですが、このセザンヌに関しては特に敬虔の念を持って襟を正しながら接しています。
絵に対して何時も真摯に取り組んでいるこの厳格な画家は、実直で人間的には不器用でありながら、ウワッ~羨ましいなぁと感嘆するほど大胆に筆を走らせている部分もあります。
それでいて何時も冷静で哲学的ですらあります。

例えばシスレーなどはもっと人間的で、とても好きな画家(ひょっとして一番)ですが、「ああここなんか苦労しているなぁ」とか、その筆使いから試行錯誤の跡が感じ取られとても親しみが伝わってきます。

その点、セザンヌの絵はいつもちょっと高い位置から距離をおいて、言葉少なに語りかけて来るようです。

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# by Atelier-Onuki | 2012-11-07 01:35 | イギリス | Trackback | Comments(0)

アヌシー湖のセザンヌ

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サラサラと音を立てて霙が降る中このタロアーという村に向かったのは、もう何年前だったでしょうか。

この頃テレコムと云う4年に一度開催される大きなショーがジュネーヴでありまして、この準備のために出かけると2ヶ月程の長期の滞在になってしまっておりました。
会期が終わる頃には、もう身も心もボロボロに疲れ果ててしまっています。
そんな中、ジュネーヴからもそう遠くないこのアヌシーという街には、一抹の清涼剤のごとく癒しを与えてくれる存在として時々訪れていました。
静かで山々に囲まれた湖は近年の努力によってヨーロッパ随一の水質を取り戻しました。
それに加えフランス側ですので、ジュネーヴとは比較にならない程、食事が美味しくなります。

このタロアーはアヌシーの対岸に位置する静かで鄙びた村ですが、セザンヌが静養のため一時期滞在していたという事を聞いたので訪れてみました。
そこには彼が宿泊していた修道院を改装したホテルが現存しています。
聞くところによると今では何でもかのジャン・レノもすっかりここがお気に入りのようで、撮影が終わった後は必ずここで静養をするそうです。

セザンヌ自身はと云うと「多少の自然はあるが、若い女性旅行者のアルバムで見る風景と教えられてきたようなところ」と云っているように、それ程は気に入らなかった模様、エクスでの題材ほどのインスピレーションは受けなかったようで早くエクスに戻りたいとも漏らしていたそうです。

実際に絵葉書のような美しさなのですが、この「絵葉書のような」が問題で、
多くの画家がこのような風景や名所旧跡のモチーフをむしろ避けてきました。
アルルにおけるゴッホが一枚も闘牛場を描いていないように・・・
特にセザンヌは晩年になるに従い、興味を抱くモチーフが身近にある石切り場になったりで、木と岩だけの絵とか何の変哲もない対象から、とんでもない素敵な絵に仕上げています。
最後の方は印象派の生命みたいな光と影までも無視し始めて、単純に色と形の構成という域にまで達しています。
これはもう次にやってくる抽象画の先駆けではないでしょうか。
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風景画家にとって題材を見つけるのは一苦労で、中々理想的な風景には出会いません。
あちこちと歩き回っても全く興味が湧かなかったりする事もありますし、逆にパッ~とこれだと直感する時もあるのですが。(さすがフランスでは良くあります。)
モネのように描きたい理想的な対象を自宅の庭に作ってしまったのは例外中の例外で、大抵の画家は苦労をしていると思います。
実際に画家が描いた所に立ってその風景を見ても、普通の風景だったりする事がしばしば・・・ゴッホが描いた麦畑など全然うねってなどいなくて、とても平和で長閑な何処にでもありそうな田園が続いているだけです。
それをあんなに力強くうねって、情感がグワッ~と迫ってくる名画に仕上げるなんて、
これはもう画家の技量とセンスによるものでしかありません。
(尤も麦畑が光を浴びて黄金色に輝き、風がグワッ~っと揺り動かす瞬間もあるのですが)

さて、人気のない庭に出てセザンヌが描いていたと思われる場所に立ってみました。
中央のお城は絵に描かれているよりも遠くに感じられます。
背景の山には無数の木々が生えていますが、そこを彼は色の組み合わせと線だけで描いています。この実際の風景を簡素化しながらも、それらしく描くと云う行為がポイントでこれが中々難しくここも画家の技量が問われる処だと思います。
画面左側にドスンと描かれた幹は多分この木かなぁと思われるものがちゃんと健在しています。

それにしても人影がありません。シーズン・オフとは云え人の温もりを感じるのは
時々動いているホテルの従業員くらいです。
霧が立ち込めて山々をかき消しているようです。

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# by Atelier-Onuki | 2012-11-05 22:43 | フランス | Trackback | Comments(0)

もう冬景色

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まだ10月だと云うのに昨夜から結構な雪が降りました。
木々は紅葉の真っ最中なのに枝に積もった雪の光景はちょっとシュールです。
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暫くこの景色を楽しみたい処ですが、そんなことより今日ちゃんと飛行機が飛ぶかどうか心配しなければなりません。
と云うのもこれからロンドンへ行かなければならないからです。

それにしても早すぎです。
かれこれ30年ほどドイツにいますがこんなに早い時期に降るのは初めての経験です。
年々冬が暖かくなって来ているのは感じていましたが、逆に突然こんな時期に冷え込むとは、・・・
どうも世界中で天候は確実に狂っているようで心配です。
と云っても自分ではどうする事もできないし天に任せる他ありませんから、あまりヤキモキしないで今日も何時も通りの生活を送る事になります。

では、元気を出してイザ出発です。

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# by Atelier-Onuki | 2012-10-29 00:35 | ミュンヘン | Trackback | Comments(0)

バイエルン放送交響楽団 演奏会 2012年10月19日

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夏場は外でボーっと過ごす事が多いのですが、秋になって来るとオペラやコンサートの新シーズンも始まり俄かに忙しくなってきます。
昔と違って今はインターネットで各地のスケジュールが簡単に見られるので、さて来シーズンはどんな演奏会があるのかとワクワクしながら見ています。

ここミュンヘンにも幾つかオーケストラがありますが、やはりメジャーはバイエルン放送交響楽団(長ったらしいのでBRと略して読んでいます)とミュンヘン・フィルでしょうか。

BRは放送局に属し日本で云うとN響と云った処でしょうか、一方のミュンヘン・フィルは市に属しています。ミュンヘンは一般的にもお金持ちの人が多く住んでいるらしく、放送局も市も予算があるようで、歴代世界的なスターが常任の指揮者に就任して来ました。

現在はBRの常任指揮者はヤンソンス、客演指揮者の中にはムーティやラトルらの名が連ねられています。
ミュンヘン・フィルもマゼールと云う大物指揮者を常任に迎えました。80歳での就任でした。
客演指揮者ではメータを始めプレートルやゲルギエフなど豪華な顔ぶれ。
それにしてもこのオーケストラは余程ベルリンに対する対抗意識が強いのか、かつてのチェルビダッケにしろ今のマゼールにしても、ベルリン・フィルに振られた人達を音楽監督に迎えています。

演奏会場に関しては、BRがレジデンス内のヘラクレス・ザールとガスタイクにあるフィルハーモニーの二箇所を主に使用し、大抵はヘラクレス・ザールでの公演です。
一方のミュンヘン・フィルはもっぱらフィルハーモニーでの演奏会で、オーケストラ事務所もここに置いている程です。
この建物は30年近く前に建てられたもので、小ホールや図書館を始め各種の文化機関が入っていて、総合文化センターのようになっています。
その一つのフィルハーモニーは客席数もそこそこ多く、ミュンヘン・フィル以外にも多くの演奏会が連日開催されています。
すり鉢状に広がっている客席は壁や天井に天然木がふんだんに使われていて、これは相当予算を掛けただろうなと推測されます。
唯、残念なのは、入って直ぐに目につくのは客席後方から中央に堂々と突き出しているテクニカル・ルーム。どうしてこんなに大きなスペースをセンターに設計したのかは分かりませんが、見るからに音が別れてしまいそうです。実際に、出ている音は若干拡散されて響きが減少しやすい感じがしますが、皆が云う程は悪くありません。それでもどうしてもこの出っ張りは気になります。

その点ヘラクレス・ザールの方は素直でまとまりのある響きがします。
建物の形はウィーンのムジーク・フェラインと同じく、音楽ホールとしてはタブーとされているシューズ・ボックス型ですが、なぜか良い音がします。
それには色んな要素があるらしいですが、ウィーンの場合は吊り天井と金箔の彫刻と内装が影響しているそうです。ここはウィーンのように煌びやかな雰囲気はなく質実剛健、両サイドの壁面には立派な段通(今はプリントされた物)が何枚も掛けられています。フローリングの床に、客席もそれほど大きくはなく、これらのことも良い音がする要因かも知れません。

それにしても音は魔物、どんなに周到な準備をして設計しても大したことがない場合もあるし、
しかし建てて見なければ分からい、そして建設後2~3年経たないとその真価が分からないときています。一般的には、平行な面ができてしまい響かないと云われるシューズ・ボックス型ですが、他にもアムステルダムのコンセルトヘボウは周知の通り、ルツェルンのホール始めエッセンやブッパータールもこの形ですが、とても素晴らしい響きがします。そう云えば仙台のホールも良いらしいですね。

そこで先日はBRの演奏会へ行って来ました。
ヤンソンスの指揮で一曲目はシュッチェドリンとか云う作曲家のよう分からない曲でしたが、終演後は作曲家自ら挨拶に現れました。私は現代曲が殆ど分からないのですが、時々こうして世界初演とかに立ち会う機会があります。考えてみればベートーヴェンだって、あの当時にしてみればとんでもない現代曲で人々を困惑させていたのでしょうから、ひょっとしてこの日の演奏会に立ち会うのも歴史の証人になるかも知れない…と思いながら丁重に聴くようにしています。

次も余り馴染みのないショスタコーヴィチの「ピアノとトランペットと弦楽オーケストラの為の協奏曲」と云う曲でしたが、これはさすがショスタコ、色んな作曲家からの引用も見え隠れして、とても楽しく聴くことができました。

休憩後はベートーヴェンの「エロイカ」シンフォニー、オーケストラは比較的に小編成で、配置も古典的な列びでしたが、演奏自体は昨今はやりのピリオド奏法ではなく、かつての正統派の路線で、素直な解釈(意外とこれが難しい)。安心して身を依だねながら聴く事ができました。

このオーケストラは、放送局オーケストラによく見られる通り、技術力が高く機能的で素直、余り色が付いていません。なかでもこのBRはレヴェルが高くどんな曲でも上手くこなしています。

この5月、4と5番のシンフォニーからベートーヴェン・チクルスが始まりました。
11月末からは日本の各地でもこのチクルスの公演を予定しているようです。

中々まとめてベートーヴェンを聴く機会も意外とありませんので、行かれる人は楽しみですね。

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# by Atelier-Onuki | 2012-10-28 16:08 | 音楽 | Trackback | Comments(0)