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レナード・バーンスタインさんの思い出 (3月のコラムから)

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作曲家、指揮者、ピアニスト、それに教育者としても活躍された類稀な才能は、よく知られている処なので今更説明する必要がないほどです。

そんなバーンスタインさんとの縁は比較的に恵まれました。

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最初に彼の演奏に接したのは1970年の万博の時にニューヨーク・フィルと来日された折でした。

当時ミーハーだった私は終演後に楽屋を訪ねサインをもらおうとフェスティバル・ホールの地下へと向かいましたが、

どうもグランド・ホテルの駐車場へ迷いこんだようでした。

ウロウロしていると向こうから見たことのある人たちが歩いて来ました。

それは何とあの小澤征爾さんと音楽評論家の大御所、福原信夫さんでした。

恐る恐る事情を説明すると、気さくに「ああ僕たちも行くところだから、一緒に行きましょう!」と快く誘って頂きました。


緊張しながら一緒にエレベーターで上がりました。

彼の部屋を訪ねるとダーク・ブルーのバス・ローブに身を包んでオンザ・ロックをカランカランさせながらソファに座っておられました。


小澤さんが、早々に事情を説明してくれると、「ウェルカム!」と温かく迎えてくれました。

サインをし終えるとなんと傍に立っていた彼女(今の家内)の頭を撫でてくれました。

もうこの時は緊張のあまりお礼を述べ早々に立ち去りました。


それから時は経ちウィーンでの生活が始まり、初めて長年憧れていたムジーク・フェラインで

ウィーン・フィルの演奏会にワクワクしながら出かけましたが、その時の指揮者がバーンスタインさんでした。

このころは彼も活動の拠点をウィーンを中心にヨーロッパに移しておられました。


最初はハイドンの交響曲88番で気宇に富んだ軽妙な演奏でその響きの綺麗なこと・・・

日本にいる頃からこのオーケストラが一番好きで聴いてきたのですが、想像を絶する豊かで綺麗な響きに目からウロコがポロポロ落ちました。


このプログラム前半のハイドンが終ったあと、休憩に入るのかと思いきや何と、彼がオーケストラ側に向いた時、

何の動作もしていないのにオーケストラが鳴りだしました。先ほどの最終楽章です。

これは後にヴィデオになったので見たですが、何と彼は目だけでオーケストラを振っていました。

その後のブラームスのピアノ協奏曲1番ではホールが揺れんばかりの演奏で腰が抜けそうでした。


今年は彼の伝記映画「マエストロ」が上演される予定です。



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by Atelier-Onuki | 2023-03-21 00:18 | コラム | Trackback | Comments(0)
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